第11章 誠実な謝罪
『1月26日(月曜日)』(1/3)
朝の回診で、先生の動きはいつも以上に速かった。「採血をすぐ出します。CTも撮りましょう」
嫌な予感は、こういうとき当たる。検査結果は、数字がはっきり示していた。WBC 13,660、CRP 3.48。前日までの改善傾向から一転、再上昇。さらに衝撃だったのが、1月23日には白血球6,610、CRP 0.35とデータだけ見れば正常だ。どこに炎症が再燃する余地があったのだ。そのことが、熱が出たことより、衝撃に輪をかける結果となった。前回、流動食開始後の寒気と微熱の際にはびくともしなかった自分の身体。今回は違う。明らかな悪寒と倦怠感。続けざまに先生からCTの説明。CTでは膿瘍の増大が診られると。明らかな悪化だった。診察室で、消化器内科の先生は静かに言った。「保存的治療でいけると思っていましたが、難しいです。うちの外科にも相談しました。手術が必要になる可能性が高いです」
「……人工肛門、ですか」
「その可能性を含めて考える必要があります」
言葉は重かった。お世話になっている地域医療センターの外科では私を手術できるスタッフと医療設備は完備されていないことを知っていた。また、紹介状を書いていただかなければ…。けれど、不思議と私は取り乱さなかった。ショックはあった。もちろんあった。ただそれ以上に、1週間以上ほとんど食べられず、体力も気力も削れていた。それより何より“戦う”より先に、“これ以上長引かせない”という気持ちが勝っていた。早くこの病気にけじめをつけたかったのだ。「わかりました。紹介状をお願いします」
そう答えた自分の声が、少し他人のように聞こえた。