よくある話なのですが…
その1例です
2歳の子供さんとその母親です
「保育園に子供を預けていたら、昼頃から38.5度の発熱があり迎えに来てくださいと言われました。
保育の先生から園でRSウイルスがはやっており、咳もかなりひどかったのでできれば検査をしてもらえたらと言われました。」と…
確かに子供さんはかなり咳がひどい、鼻水も大量に出ているし少し元気がない
気管の付近から少し痰の絡んだぜこぜこというような気管支炎様の咳も出ている
RSウイルスによる感染症の可能性が高いです
このとき医者はどうする
世間では多くの医者…
特に小児科医がこの問題に直面していて悩まされています
ここでの対応として、いくつかの選択肢を考えてみます
「仮にRSウイルスだとしても大丈夫ですよ。安心して保育園に行ってください」
この対応が、今の日本の医療では医学的には正しい
心疾患や肺疾患、免疫不全などの基礎疾患があれば重症化することがありますが、普通は重症化までは少ないかな
しかし…
このお母さんは「子どもが大丈夫かどうか」はあまり問題ではありません
RSウイルスか否かが問題なのです
そこでお母さんが…
「先生、RSの検査をしてください。」
といわれたときに、医者はどうしますかというお話
この問題を考える時に基礎なることが2つあります
1つ目の問題は…
「保険適応になるのか」と言うこと
保険適応(簡単に言うと乳幼児などでは検査費用が0円)となるのは…
あ) 入院中の患者
い) 乳児(1歳未満)
う) パリビズマブ製剤(先日お話ししたワクチン:シナジス)の適用となる患者
なのです
つまり、クリニックではう)に該当しない1歳以上のお子様には保険で検査はできません
正確に言うと検査をするとクリニックが検査代を負担することになる
総合病院などでは、咳がひどく呼吸がしんどそうですのでということで…
医者から
「お母さん、入院するのでしたらRSウイルスの検査してもいいですよ」
といわれた経験がある方もいらっしゃるかもしれません
これはあ)の場合ですね
うーん
普通はRSウイルスの検査をして…
気管支炎や肺炎を起こして呼吸状態が良くないから…
入院しましょうというのが筋
なのですが…
でもこの場合は…
入院が条件(人質)になっていて…
「入院するなら検査するよ」
というのでは順序が逆ですよね
2つめの問題は…
小児科のクリニックの場合は…
包括医療を選択しているところがほとんどということ
つまり、検査をすればするほどその分の売り上げが減る
「5月31日まではコロナ検査は包括外」だったので、コロナ検査はやればやるだけお金を儲けられる
かなり積極的に検査をされていた小児科が…
6月1日からは突然消極的になる
賢い親御さんは
「あれ?前はやたら鼻水でも出ようものなら、むやみやたらにコロナ検査をしていたのに検査しなくなったな…」
と肌で感じていらっしゃるのではないでしょうか
そこのところを正直に説明されている良心的な小児科も都会には存在します
信頼に値する先生ですね
いろいろな裏事情があり…
そんなこんなで…
つづく…