最近、思うのが耳鼻科は学会が多すぎる…
個人的な意見です
このように1年間に全国学会と言われるものが18もあります
全ての学会に参加されている先生はおそらくいないと思います
その他、愛媛県であれば中国四国合同の学会、四国四県で行われる学会、愛媛県単独の地方部会などなどまだまだ学会があります
耳鼻科と書きましたが…
正式には
耳、鼻、のどや頭頚部の腫瘍、顔面神経、めまいなどなど…
本当に耳鼻科医はいろいろ多岐にわたる知識が必要とされます
耳も鼻ものども色々、関連しているからです
とはいえ学会が多すぎ…
学会があるということは発表する人がいるということ
ということは発表する演題が必要ということ
発表の内容は大きく分けると…
「1例報告」か「統計」に分かれます
「1例報告」は珍しい症例に出くわしたときや治療に苦慮したときに、こんな珍しい症例がありましたと発表することが多いです
「1例報告」はテレビでいうところの「衝撃映像〇〇」みたいな感じになりますので、聴衆は興味をもって見ますが…
珍しい疾患だからこそ報告しているので、自分が実際に経験することはあまりないかな…
「統計」はまとまった数の疾患を統計処理して…
例えばこの癌は早期であれば死亡率が〇%、
進行すると△%など、
データとして診療に役立てられることが多いのですが、発表する側は大変な労力を要しますので発表にこぎつけるまでが大変です
とはいえ、それほど珍しい症例も多くあるわけではないし、統計で新たな治療法などの知見がどんどん見つかるわけでもなく、だんだんマンネリ化してきます
例えば「突発性難聴」という病気、数十年も前から治療法はあまり変わっていません
自分が現在、苦しんでいる成人喘息などは1990年後半から吸入ステロイドの登場により劇的に喘息死亡率が減りました
さらに近年、抗体製剤の登場によりさらに治療成績は上がっています
そう考えると、あまり変化の見られない耳鼻科としては、責任も感じるし、もどかしい思いがします
もちろん、様々な試みはなされてきましたがどれも劇的と言えるほどの変化がないのが実情です
で、だんだん学会発表する症例や統計が少なくなってきているので…
多くの大学病院や総合病院などの施設では、何とか知恵を絞りだして学会発表にこぎつけるということになってしまいます
であるなら…
学会自体を減らしてしまって内容の濃い学会にすると発表する側も聴衆の側もより有意義な成果が得られるように思うのだが…
例えるなら…
うすく希釈したカルピスを何倍も飲むより…
濃いカルピスをぐびっと飲みたい
ちょっと例えが違いますか…
つづく…