昨今、話題になっていた小林製薬「紅麹」による健康被害問題
まだ記憶に新しいと思う
健康食品について考えてみましょうという話です
人間はみな健康で長生きしたいと思うのが当然です
ただ、その欲望と無知に付け込み本来効果が期待できないであろう商品を販売し、お金を儲けようという悪
が生み出されてくることも事実です
このブログの目的は健康や病気に対する正しい認識を持ち、ヘルスリテラシーを高めようとすることを目的にしています
今回の話題はよく雑誌やテレビCMで取り上げられる…
「コラーゲン」
特に女性は「コラーゲン」という言葉に弱い
コラーゲンは細胞と細胞の間のクッションのようなものと考えていただいていいと思うが、このコラーゲンが少なくなると肌がカサカサになったり潤いがなくなったりしてくる
で…
悪徳業者に騙される人は…
コラーゲンのイメージ＝プルプル
肌がカサカサの人なら…
プルプル投入だ
コラーゲンを摂ればいいんだ
となる
このコラーゲンという物質のウソ
に鋭い切り口で迫っているのが…
である
この中で…
「コラーゲンを食べ物として外部からたくさん摂取すれば、衰えがちな肌の張りを問い戻すことができるだろうか
」
という命題を提起している
「答えは端的に否である
」
と明確に否定している
その論理は…
食物として摂取されたコラーゲンは消化酵素の働きでアミノ酸にばらばらに分解され吸収される
吸収されたアミノ酸は血液に乗って全身に散らばり、新しいタンパク質の合成材料になる
「しかし、コラーゲン由来のアミノ酸は、必ずしも体内のコラーゲンとはならない。」
「むしろほとんどコラーゲンにはならないと言ってよい」
と述べているのだ
なので関節が痛いからと言って、軟骨の構成材料であるコンドロイチン硫酸やヒアルロン酸を食べてもそれがダイレクトに身体の軟骨の一部になることはない
髪の薄い人が、髪の毛を食べても髪は増えないし、目が悪い人が魚の目の煮物を食べても目はよくならない
みなさん、よく考えてみてください
髪の薄い方が髪の毛を食べて…
「髪になれ
」
と念じたら髪の毛が生えてきますか
ということです
つまり…
「一度、体内に取り込まれたタンパク質はアミノ酸にまで分解されるが、それが何に合成されるかを自らの意思で決定することはできない」
ということ
「むしろほとんどがコラーゲンにならないと言っていい」
と述べている
そんな当たり前のことが、世の中の健康志向のどさくさに紛れてあいまいになり、
「お肌がプルプルになりたかったらコラーゲン入りの食べ物を食べたらいい」という迷信がいつの間にか信じ込まれている
ついでに福岡さんが述べているのが…
「コラーゲン配合」の化粧品が氾濫しているが…
コラーゲンが皮膚から吸収されることはありえない
と述べている
（全く同感である）
分子生物学者の福岡氏がさらに述べているのは…
コラーゲン配合の化粧品で肌がツルツルになるのは、
コラーゲンの働きによるものではなく、単に肌の皺をヒアルロン酸や尿素、グリセリンなどの保湿剤（ヌルヌル成分）で埋めただけだと
なら…
サラダ油でもいいのか
いや、ごま油の方が風味が豊かでいいのか
これ以上言うとコラーゲン信者に怒られそうなのでやめておくが…
「要はコラーゲンを摂取することや塗りたくることは意味がない」
ということである
このことを医療に携わる人間は正しく伝えるべきだし、科学的根拠に基づいた説明をすべきである
なんとなく人間は漠然としたイメージでほわーと生きていることが多いが、よーく頭を使って考えるとおかしなことが蔓延している
実は私たちの周りには当たり前だと思っていることが、実は間違っていることが多いのである