転勤がある医者の場合はトラブルがあれば転勤などでその場を離れることもできるのでしょうが、開業するということは「いつまでもそこにいる」ということなのです
連続テレビ小説 梅ちゃん先生(NHK:2012)にでてくる坂田俊一郎医師(世良公則さん)が医者の在り方について悩む梅ちゃん(堀北真希さん)に…
「”医師が患者を助ける”というのは医師の思い上がりだ。
医者はただ、そこにいればいい」
と言ったアドバイスがあります
ずっと頭に残っています
「逃げも隠れもしない…
「そこにいればいい。」
重い言葉です
同じようなことを言われた方もいました
私が医学部6年生、私がどの科に行こうか進路に迷っているころ、その年に退官される愛媛大学耳鼻咽喉科の教授、柳原尚明先生の最終講義がありました
その中で柳原先生がアンブロワーズ・パレの言葉を引用して話された言葉があります
「我包帯をし、神癒し賜う」
我々は患者さんが来たら傷を消毒し包帯を巻いているだけなんだ
自分が治していると思っているのは思い上がりだと
治っているのは患者さん自身の力で治っているんだと
手術がものすごくうまくて、全国から患者さんが来られるほど有名な柳原尚明教授からいただいた言葉だからこそ重みがありました
最終講義でのこの言葉は一生忘れません
つづく…