私が専門医資格を取り恩師のもとで臨床経験を積んでいるころの話です。
主治医としてESS(内視鏡下鼻副鼻腔手術)を始めたころ、最初は部長が執刀医として主に手術を行っていたのですがあるとき突然、手術を一人で任せられるようになったのです
もちろん何度も介助(手術の助手)としてESSを経験したり、簡単なところは代わらせていただき内視鏡を持ち実際に鉗子(手術操作を行う道具)を用いポリープを切除したり、骨を削ったりとある程度、経験を積んでからのことですが
現在は実際の患者さんを対象とした手術を経験するまでに様々なトレーニング方法がありますが、私の時代は最初は実際に上級医ととともに手術を行い技術を身に着けていくしかありませんでした。
参考までに現在は様々なトレーニング方法があります
Volume rendering imageを用いた内視鏡下副鼻腔手術トレーニング
ある日、ESS手術予定の患者さんに全身麻酔がかかり、いざ執刀時間が始まっても部長は来ないのです
おそるおそる安全な部位から手術をはじめ徐々に進めていきしばらくすると手が止まる
目の前の骨壁を切除してよいのかその奥に頭蓋底や眼球はないのか
など完全に自分に自身が持てないのです
麻酔科医と手術場の看護師さんのプレッシャーを感じ冷や汗をかきながらあたふたあたふたです
そうこうしていると部長が手術室にやってこられたのですが…