2021 11月
ワタシは生まれた。
とても寒かった。ママがお腹の下に入れてくれたけど、それでも寒い。
雨なんてものが空から落ちてきた日には 意識が遠のくくらい痛くて寒かった。
ママと兄妹を身を寄せ合っていると・・・・・。
「ごめんね。 あなたを連れていく」
って空から声が聞こえた。寒くて空に帰らなきゃいけないのかな。
って思ったけど、
「ワタシどうしても 『あったかい』ってものを知りたいの。」
そう その声に言うと
「では もう少しだけ・・・・・」
声はそれ以上聞こえなかった。
そのうち ママがいなくなった。 どこに行ってしまったんだろう。 毎日兄妹と探しても帰ってきてはくれなかった。
ワタシはおいしいニオイのする方に一生懸命歩いた。 けどその場所は大きい猫たちがいて どいてくれるまで食べられなかったの。
ひとつだけ、おいしいニオイが消えないカゴがあったから、入ってご飯を食べたよ。 そしたらドアがしまった・・・・・。
やさしそうな人が もう大丈夫♪って言ってくれた。
大丈夫がわからなかったけど、 とにかく怖くて怖くて。 おいしいニオイがするのにご飯が食べられなかった。 ずっとケージに隠れてた。
その人・・・メンバーJは ずっとずっとそばにいてくれた。
話しかけながら、おいしいニオイがするものを 自分の手につけてなめさせてくれた。
この世の中にこんなおいしいものがあるなんて!
それからメンバーJのおうちで 少しづつ ご飯を食べた。 メンバーJはすごい喜んでくれた
Dもいつもケージの前で緊張がなくなるようにと歌を歌ってくれたよ。
そう・・・・・。 病院に連れていってくれたときにわかったの。
ワタシは 白血病 っていう病気なんだって。 でも栄養をつけて元気になれば もしかしたら治るかもしれないって。
だから がんばって ご飯食べたよ。
メンバーJとも仲良くなりたいって 目の前で振ってくれた 楽しそうなおもちゃで遊んでみた。
ちょうど その日はクリスマス。 とても嬉しいクリスマスプレゼントだったよって メンバーJもDも喜んでくれた。
でもね。 ここは ワタシの本当におうちじゃないんだって。
ワタシのおうちは別にあって そこに行くのが一番いいんだよって教えてもらった。
譲渡会ってイベントに参加したよ。他の子に比べて 大きくて病気もあるワタシには 全く声がかからなかった。
そしたら、きれいなお姉さんがやってきて ワタシの顔をじーーっとみて「かわいい」って言ってくれたの。
メンバーJはワタシの病気のこととか詳しく説明してくれた。 初めて猫を飼うならたくさん猫が来てるから 色々と見てきてね!って送り出した。
ワタシ あのお姉さん 好きだな。 だってかわいいって言ってくれたのお姉さんだけだったもん。
お姉さんは1周回って また ワタシのところに戻ってきてくれた。
何かたくさん考えているようだった。
そして
「私はシュガーちゃんがいいです」
えっーーーーーーーーー!!???
メンバーJも横にいたメンバーFも声をだしてびっくりしたよ。
でもワタシが一番びっくりした。 そして 嬉しかった。
メンバーみんなや事務局 代表もみんな手を叩いて喜んでくれたよ。
お姉さんが準備を進めてくれている間、もっと元気になろうってたくさん遊んでたくさん食べたの。
そして お姉さんのおうちに行った日。
メンバーJがギュって抱っこしてくれた。
そして、 お姉さん ううん。ママも♪
とっても とっても あったかかった。
くすぐったくて フワフワしてて
本当に とても あったかかったの。
ママは毎日とても優しかった。具合が悪い日もご飯を色々考えて食べさせようとしてくれた。
でも、 また あの声がきこえた。
「ごめんね。 シュガー 時間切れだ」
どうして? どうして? どうして! 今なの!?
あったかいがわかったばっかりだったのに!
抗って抗って・・・・・・・。 もう少しだけ・・・・ あと少し・・・・
「シュガー ごめんね。連れて行くよ」
・・・・・・ママ ごめんね。
そして、目の前が真っ暗になった。
目を覚ましたら、 あれだけ 重かった体が軽くなってた。
けど、 泣いてるみんなが見えた。
ワタシ あったかい わかったよ! くすぐったくて お腹いっぱいで フワフワしてて シュガーって呼んでくれる声も 頭をなでてくれるその手も。
みんな いつもずっと あったかかったんだ。
D 祭壇の前でいつもの歌を歌ってくれてありがとう。
メンバーJ もう泣かないで。 またどこかできっと会えるからね!
そして ママ。 あの時 一番に私を選んでくれて とってもとっても 嬉しかった。 少しの間だったけど、私のママになってくれてありがとう。
みんな 大好きよ♪
じゃあ もう 行くね。
また どこかで 会えたら シュガーって声かけてね!
みんな ありがとう!!
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