夏が終わって |     在宅生徒会長

    在宅生徒会長

         中学で2年間不登校だった娘は、
         困難な受験を乗り越え、高校2年生になりました。
         未だ完全復帰とは言えませんが、
         どうにかこうにか学校に通っています。

気がつけば、すっかり秋になっていますね。

随分長いこと更新をしていませんでした。

夏休みの間、学校のことを意識せずに済んだので、
その束の間の時間を大事にしていました。

ブログを開くと、どうしても思い出してしまうので…    


中3の夏でした。

多くの子どもたちが、 塾通い、勉強に忙しかったようです。

そんな中、
どうしても勉強モードに入れないnonを見ていて、
苛立つこともありました。
悲しくなることもありました。  

やる気さえ出すことができれば、
今からでも全然、巻き返せるのになあ、って。  

だけど、それが難しいから、
今、こういう状態なんだよね。  


まあ、なるようになるさ、
というのが、いつもの私の結論です。    




  夏休み。

  nonにとって一番の出来事は、
あるボランティアに参加したことです。    


福島の放射線量の高い地域では、
いまだに外遊びも制限されている
小さな子どもたちがいます。  

その子どもたちと、お母さんに、夏休みの間、
一時的に線量の低い地域で過ごしてもらうことを
「保養」と言います。

そのボランティア団体が全国各地にたくさんあり、
その中の一つのNPOに、
震災の翌年から毎年、関わってきました。  


山の中で、福島の母子と ボランティアスタッフ、約30人で
(スタッフは入れ替わるので、のべ80人くらいいますが)
川遊びをしたり、虫取りをしたりして過ごす、
一週間弱の自炊共同生活です。    


原発事故から3年半。

福島から着いて
バスから降りて来る子どもたちは、
外で遊んでいないので、 いつも色白です。  

でも到着するやいなや、
虫取り網を持って、外に駆け出します。

深い緑の中、
バッタやトンボを捕まえたり、
土に触って遊んでみたり、
背の高い草に突撃して行ったりして
はしゃぐ 子どもたちの姿を見ていると、

子どもには、こういうことが本当に必要なんだと、
心から思います。

なんという罪を犯してしまったのでしょうか。

   
ウチの子どもたちは、3回目の参加です。

小さな子どもたちの遊び相手は、
やはり同じ子ども同士が一番で、
毎回、小さな子たちが 両手にぶら下がって遊ぶほど、
大人気のお姉さんたちでした。  

今年も参加するに当たって、 私が決めていたことは、
nonを実行委員として、
企画から深く関わらせることでした。

  もう中学3年生です。
言われたことをやるだけではなく、
自分で考えて動いて欲しい、 との思いからでした。  

NPOの運営サイドにも快く了承していただき、
最年少スタッフとなりました。    


  nonは初めて実行委員会の会議に参加して、
驚いたようです。  

NPOのスタッフは、皆、 自分の本業を持った大人の人です。  

忙しい中集まっているので、
限られた時間にたくさんの議事を こなさなくてはいけません。

 だから会議は、ポンポンと すごい勢いで進んでいきます。  

決めごとをどんどん決めて行く大人の会議は、
「決めごとを話合って決めるという練習」途中の 中学生にとっては、
「すごい~」「気持ちいい~」と 圧倒されるものでした。

   会議中に話を振られても、
nonは最初はなかなか発言できなくて、 もどかしかったのですが、
会を重ねるごとに、 少しずつ慣れてきました。

  最後の夜の「キャンプファイヤー」と、
何もイベントのない時の 子どもの遊びを考えることが
nonのミッションとなりました。    


けれど、皆の期待をよそに、
私が振らないと、 なかなかアイディアを出さないことが 続きました。

  nonは本来、そういう子ではなかった。
イベントのプランを考えたり、
進行を取り仕切ったりするのは、
むしろ得意なはず。

  じっくり構えて、
nonの本能が、思い出してくれるのを待ちました。  

本番に強いことはよく知っているので、
心配は全くしていませんでしたけど。      


そしてその信頼は、間違っていなかった。  

本当に、期待以上の
素晴らしいキャンプファイヤーを 仕切ってくれました。  

妹や弟を含め、
少し大きい「子どもスタッフ」たちが それぞれの役目を果たし、
小さな子供たちを大いに楽しませ、
盛り上げてくれました。  

感動的なイベントの最後には、
涙しているお母さんたちやスタッフもいました。  

  Nonは表に出ることを嫌がったので、
あまり前に出ませんでしたが、
裏方をしながら、 立派に総合監督を務めていました。    



1年以上も不登校を続け、
LINE以外の人間関係を断ち、
人として育っていく、 大事な過程を逃しているのではないかと
少し心配していましたが、
それは杞憂でした。  


若いお母さんたちとも 楽しそうにコミュニケーションを取り、
子どもたちをまとめ、
スタッフとしてちゃんと意見も持ち、
一生懸命働いていました。    



この子は大丈夫。
ちゃんと成長している。

意志の力と、優しい心を持ち、
行動力もある。  


それが、学校の方向に、 向いていないだけじゃん。


    「保養」が終わり、 気持ちが少し前向きになったのか、
夏休みの終わりから、 塾に行くようになりました。  

今は、すこしずつ、
遅れた勉強を取り戻そうとしています。  


いい調子、いい調子、と思うと、
急に暗い表情になり、「今日、行けない…」と なってしまうことも
まだまだあるのですが、
休んでも、次のときには、 ちゃんと行っています。

  一歩一歩かな。  



  とてもいい夏休みでした。






   

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