最新号の日経ヴェリタスの中で『会計発生高(アクルーアル)』という会計用語を知った。



定義を読んでみると、すでに知っていることだったがこういうことを“言葉”として認知できたことは嬉しい。



以下記事を転載。


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その利益は本物かー。『会計発生高(アクルーアル)』と呼ぶ会計用語に注目が集まっている。売掛債権が未回収だったり、引当金を積んだりするなどで、決算上の利益と現金収支(キャッシュフロー)との間にズレが生じる。このズレを『会計発生高』と呼ぶ。現金化につながるかどうか、利益の「質」を探るひとつの材料になる。
一般に粉飾決算を見抜くため使われるが、最近は株主投資への応用が模索される。キャッシュフローを伴う、「質」の高い利益なら株価にも好影響が及ぶ可能性がある。株価との関連性は研究途上だが、『会計発生高』が少ないほど株価が高いとの分析もある。2009年3月期は、株式評価損などで赤字転落してもキャッシュフローが安定している企業も目立つ。『会計発生高』への着目で投資すべき企業が見えてくるかもしれない。


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以上転載終了。


要は、PL(損益計算書)上の売上・利益の数字は、お金の流れ(キャッシュフロー)とずれがある。そのずれを『会計発生高』というということ。これが生じる背景には、PL(損益計算書)で売上・費用が発生しても、売上入金が翌月だったりすると“売上が計上されても現金は当月にはない”とか、PL(損益計算書)上で減価償却費(会計上は購入した資産の現金支払いがすでに終わっていても法定耐用年数に従い分けて費用計上しなければならない)は現金支出を伴わないとか、固定資産を手放す場合に減価償却残存価格で除却損を落とすがこれも現金支出は伴わないとか、固定資産の評価損も現金支出は伴わないとか色々ある。


単純な例を挙げると、
PL(損益計算書)上
売上100万
費用90万
利益10万
でも売上全ての入金が翌月であるならば、
キャッシュフロー上
入金0万
支出90万
現金収支▼90万
となってしまう。


ここで企業経営に大事な原理原則がある。

会社が潰れるのは大きく分けて2つしかない。
(1)資金繰りが詰まる(現金がなくなる)。
(2)身の丈以上の借金がある。

絶対的原理原則の方程式『入ってくるお金-出ていくお金 > 0』の経営を続けなければ自力で生き残ることはできない。


ここ最近目立っている不動産会社の破綻を見てみると、PL(損益計算書)で黒字でありながら破綻したという事例が多い。所謂“勘定あって銭足らず”の黒字倒産である。これは『会計発生高』が作用している証左である。現金がなくなってしまい自力では生き残れないわけだから、外部(銀行などの金融機関)に依存しようにも、すでに過度なレバレッジ(自己資本の身の丈以上の借金をしている)をかけていた&不景気による近未来の不振見通しがあるのでお金も借りられない。それで完全に資金繰りに詰まり破綻に向かうのである。


余談ではあるが、PL上で売上も大きく利益も出ている大きなパチンコホール企業の破綻が多くなり今後も多く予想されている。パチンコホールビジネスは売上計上と現金入金のタイミングがほぼ同じである所謂“現金商売”でなかなか資金繰りが詰まることのない業種で有名であるが、法律改正(規制強化)によりスロット機の売上が急激に減少して現金収入が急激減少してしまったのに加え、ついこの間までのスロットバブル(売上が上がる機種が多くて業績が良かった)に乗じて、返済のゆとりがある長期借入金ではなく短期借入金で多く金融機関から資金調達をしていたので、元利償還負担と金融機関が借り換えに応じてくれないといったことから、資金繰りが詰まり破綻していくという流れである。



最後になるが投資家として大事な視点として、
◆キャッシュフロー利益創出能力
◆自己資本比率(どれだけ自力で頑張れるか)
◆手元流動性(短期的な支払い能力)
◆キャッシュ比率(総資産のうちどれだけ現金があるか)
以上を事業の将来性に加え総合的な判断をすることが“より”大事になってきたと云える。


逆の立場で云うと、企業経営側においても生き残り勝ち残るために大事な大事な指標なのである。


さて、
2009年4月22日水曜日。うんちょい。ガンバロウ。