この日の不運は続き、閉店間際の病院の近くの薬局に夫が滑り込んだ。私は手術したばかりで、人にぶつかりたくないので、ゆっくり注意して後を追った。


1ヶ月前にも同じ薬やガーゼなどを処方されていると、店員に処方箋を偽造したと思われ、店長を呼びに行かれた夫。そんなこととは知らず、片手包帯グルグル巻きの反対の手には名前入りタグを付けられたままの私の登場で、店長は薬を出して良いと言って対応した。


見たら、その処方箋の日にちが先ず未来の日付。病院のロゴはインクがなかったのかあり得ない不鮮明だった。処方箋があれば、そこに書いてある物の1つ以外は保険で無料だった。保険適用外のガーゼは17ユーロもする。無料を良いことに切り貼りするんだかPhotoshopを使うのかは知らないが、偽処方箋を作り、無料で薬剤を受け取りアフリカで売る人間が実際にいるのだと言う。


日本の偽保険証にしても、この件にしても移民のすることは私達一般人が予想もしないことばかり。