私はフランスの田舎に住んでいる。
フランス=パリのイメージが強ければ、全く違う世界に住んでいる。
絵画や写真では長閑な風景が描かれるだろう。
世界の車窓で見たなら、穏やかなナレーションと風景と共にきっと清々しい気分になるだろう。
映像では伝わない事実がある。
それは臭い
牛や馬があちこちにいる。
その牛や馬の糞を肥料にして農業国フランスでは野菜を育てている
そう、清々しい風を浴びようと車の窓を開ければ、
臭っさい香りが鼻を刺激する。
そんな季節になりつつある。
都会産まれ、都会育ちの私は、慣れない臭さ
だが、窓を全開にして、その臭いを喜ぶ夫がいる。
「ああ!懐かしい。良い香り」
人は思い出と共に生きている。
私もこの香りをいつか懐かしむ時が来るのであろうか。