わたくし、以前はノーマスク派でした。
風邪やインフルエンザなど、マスクをしていても貰う確率というのは変わらず予防にはならないというのがその理由です。
新型コロナウイルスが流行しても、その傾向は変わらずノーマスクを貫いていました。
別にそれが格好いいとか、そういう理由ではなく、単純に効果の程が疑わしいという事です。
しかし、新型コロナウイルスの件でそれを見直さなくてはならなくなりました。
すでにご存じない方はおられないと思いますが、新型コロナウイルスは「無症状の患者」がいることが分かっています。
つまり、私に自覚症状が無くても、新型コロナウイルスに感染し、知らず知らずのうちに拡散している可能性があると言うことです。
会社の掲示板には、咳をしたときの経路が
マスク無→マスク有では感染率70%
マスク有→マスク無では感染率5%
マスク有→マスク有では感染率1.5%
と掲示してありました。
マスクの種類はわかりませんが、一般的なマスクだとすればN95マスクでは無くサージカルマスクなのではないかと思います。
このように、今は自分が被害者、加害者両方の可能性を持っています。
新型コロナウイルスを収束させるには、国の支援はもとより個々の努力も必要だと感じます。
さて。
私も持っている4563 アンジェスが絶好調です。
・1株だけな!
このアンジェスという会社はバイオベンチャー企業で、業績は万年赤字の会社です。
・少なくともここ10年黒字になった事はありません
今回新型コロナウイルスの流行に対応すべく、ワクチン開発に着手したことが材料視されて、2/28の終値388円から上昇を始め、現在はなんと1,623円(+318.30%)の伸びを見せています。
私は第4口座で1,033円の時に買いましたが、現在は+57.12%の損益率を誇ります。
世間では2,000円だ3,000円だ5,000円だ、いや10,000円だ! と鼻息の荒い上値を予想する方も多くいらっしゃいます。
3,880円でテンバガー、11,640円でトリプルテンバガーとなり、株で一山当てようという方には夢を見させてくれる素晴らしい銘柄ではないでしょうか。
それで、株価が上昇するには今後どうなれば良いのでしょう。
これは実に単純で、ワクチンの開発成功以外にありません。
もし成功すれば無限の富が手に入ると言っても過言ではないでしょう。
アンジェスの発表では、現在非臨床試験(動物実験)の段階で、秋に予定してた臨床試験を早ければ7月には行いたいとしていますが、それ以降のスケジュールは決まっていないようです。
・3/27に発表された会社説明資料
それでは、新型コロナウイルスのワクチン開発、どのようなリスクがあるのでしょうか。
まず1つめは、通常のワクチン開発期間は少なくても5年以上はかかると言うことです。
あれれ? 先日トランプ大統領が、ワクチンは早くて年末に出せるって言ってたよね?
は? 5年? 嵐猫さん嘘ついてるねwwww
とお思いでしょう。
専門家の話では5年とは言いませんが、さすがに年末とも言えず、米国立アレルギー・感染症研究所 (NIAID)やWHOは少なくとも1年から1年半かかるとインタビューに答えています。
つまり1月に開発がスタートしたとしても、早くて来年の夏以降ということになります。
ちなみに通常のワクチン開発は以下のようなスケジュールになっているようです。
・基礎研究だけで2~3年……だと?
アンジェスの場合ベースとなる技術があったようで、基礎研究にあたる部分はなんと3週間弱で完成しています。
3月末にはすでに非臨床試験の開始を行っており、早ければ臨床試験のフェーズ1を7月に……という流れになると思われます。
そしてまずここが第1の落とし穴になるかもしれません。
非臨床試験は、マウス、ラット、サルなどに投与し試験を行いますが、まずこれが上手くいかないと次の臨床試験に行くことができません。
この結果はおそらく5月末か遅くても6月には判明するでしょう。
ここでクリア出来れば、一層の株高となり、失敗・または非臨床試験延長となれば、株価は下がると思われます。
これがクリアできれば次の臨床試験に移るわけですが、この臨床試験は3つのフェーズに分かれています。
【フェーズ1】
健康なボランティアの方に投与し、薬物副作用がないか確認する(通常3ヶ月)
【フェーズ2】
数百人の患者に対し薬を投与しデータを収集する(通常6~8ヶ月)
【フェーズ3】
数千人の患者に対し薬を投与しデータを収集する(通常6~8ヶ月)
これらのデータを元に規制機関が全てのデータをチェックするのに数ヶ月~1年かかります。
ワクチン開発に関して、ここのプロセスは絶対に避けて通ることは出来ず、また検証数を減らして期間を短くしようとすれば有効なデータを取ることが難しくなるので、これをどう短縮するのか注目していく必要があるでしょう。
※アンジェスのFAQには、「特例として早期承認の可能性はあるのでしょうか」という質問に対し、「(従来の早期承認制度ではなく)ワクチンの(分野の既存)承認制度の中で、出来る限り早い段階で承認を頂けるように進めてまいります。」と解答しているので、承認を短縮するなんらかの方法があるようです。
ちなみに、サンバイオショックで有名な4592 サンバイオは、同じ薬で慢性期外傷性脳損傷、慢性期脳梗塞、慢性期脳出血と、計3つの治験を行い2つ目の治験で芳しい結果が得られず、それにより株価が暴落しています。
今回も同様の可能性は秘めており、これが第2の落とし穴になりかねません。
そして第3の落とし穴は、予想よりも早く新型コロナウイルスが収束した場合です。
以前、SARSやMARSのワクチンが作られていないとお話した事があると思います(MARSのワクチンはあると説明したような気がしますが、MARSもワクチンはありません)。
これは、ワクチンの開発に失敗したのではなく、ワクチンを開発する前にSARSやMARSが収束した事が原因です。
流行が収まっても、開発は続ければ良いじゃないと思いますが、開発するに出来ない理由があるのです。
それは、上記の臨床試験です。
非臨床試験は動物実験なので問題ありません。
臨床試験のフェーズ1は健康なボランティアの方に投与し、薬物副作用がないか確認するものですので、これも問題ありませんが、次のフェーズ2は実際の患者に対して投与するものなので、患者がいなければ開発も出来ないのです。
SARSは発生から4ヶ月程度で収束し、その後も数件しか確認されておりません。
今後研究が再開される場合はSARSがまた発生するしかないのです。
また、大きく開発費がかかるのもワクチン開発のネックになります。
どこぞの総理は、金をかければ早くできるという訳でもない、と言いましたが金をかけないと開発そのものが中断してしまいます。
実際ワクチン開発には300億円以上かかると言われています。
仮に収束に向かいつつある状況で、臨床試験を行うことが出来たとしても、薬を開発した段階で収束してしまっては資金を回収する事が出来ません。
なので、現時点で新型コロナウイルスは収束しないだろうという予測の元に開発していると思います。
実際アンジェスも FAQで、「中国では(新型コロナウイルスが)3か月で収束している。半年後の9月から人への臨床試験で間に合うのでしょうか。また、(収束状況で)ワクチン開発を途中でやめることはありませんか?」という質問に対し、「中国では3か月で収束しているとありますが、私共は世界中で3か月という早さで(新型コロナウイルス感染症が)収束するとは考えていないため、ワクチンの開発を途中でやめることはございません。」と解答しています。
通常は収束すると予想した段階で開発をやめてしまいます。
もし新型コロナウイルスが収束してしまったら、つぎ込んだお金がパーとなりますのでインフルエンザのように季節ごとに流行るタイプと見ているのか、季節を問わず継続して流行していくと見ているのでしょう。
今日現在全世界で80以上の国や機関が新型コロナウイルスのワクチンを開発していると言われています。
通常ワクチン開発はデメリットの方が大きいので大手以外はやりたがりません。
その大手とは、ファイザー、メルク、グラクソ・スミスクライン、サノフィの4社。
ですが、この新型コロナウイルスワクチンに関しては、開発に着手するだけのメリットがあるということでしょう。
ここから統合・脱落などで最終的に数社だけが残ることになるのではないでしょうか。
アンジェスについては、買えとも売れとも言いません。
が、新型コロナウイルスワクチン関連の記事やアンジェスのHPには興味深いことがたくさん記されています。
アンジェスに投資している方は、ぜひワクチンに関する記事を読んで頂き、関心を深めるのも良いと思います。
投資判断は自己責任でお願いします。
今回の記事作成にあたり、以下の記事を参考にさせて頂きました
WIRED~新型コロナウイルスのワクチンは、いつできる? ──基礎から最新事例まで「知っておくべきこと」
ニッセイ基礎研究所~新型コロナ 急がれる医薬品開発-抗ウイルス薬やワクチンが、なかなかできないのはなぜ?