所属していた演劇サークル部長の後輩。
音響の手伝いに来たのが知り合うきっかけ。
なんだか最近よく話しかけられるなと思っていたら、ある日好きだと告白された。
「好き」
「愛してる」
「結婚したい」
を一日に一セットは言う人だった。
私はそれを口に出すのが恥ずかしくて。
たぶん不自然な笑顔を返すばかりだったんだと思う。
それでも旦那はずっと言い続けていた。
そんな旦那が好きだった。
当時ひどく男性恐怖症で、2人っきりになるたびに意思とは関係なく震えたり怯えたりしていたんだけど、旦那だけはいつしか平気になっていた。
ケンカはすれど、ごくごく平和に過ごしていた。
二年後。
旦那は突然。
「前の彼女にやり直したいって言われた。おまえとどっちが幸せになれるか考えたいから、1ヶ月待っててほしい」
と言ってきた。
知らない間にその子のうちに泊りにいって、性的接触があったこともその時に聞いた。
今思えば些細なことなのに、その時は自分の心の中だけで
旦那を責め自分を責め相手の女を責め。
泣いて泣いてどうしていいかわからなくて壊れて首を括った。
結局旦那は向こうにはいかず、私たちは今まで通り。
でも私はいつまでたっても旦那を疑うことをやめられなかった。 許したと言って、信用しきれず不安になって旦那を責める自分が嫌だった。
それから二年苦しんで、逃げた。
自分を同じ立場に貶めたら、旦那を責めずに済むんだと、適当な相手と寝た。
楽になった。
代償として、自分の中のセックスの意味が変わった。
それは、今も変わらず。
何かを諦めるために、旦那の傍にいようとしたのかもしれない。