彼は私の前だと、おしゃべりになるという。
私も彼の前だと、自分の話をたくさんする。
普段私は自発的には他人に悩み事や不平不満は極力話さない。
聞いてるほうもいい気持ちはしないだろうことは容易に想像できるし。
生の気持ちは支離滅裂で、論点ずれるは主張は一貫しないはで、人様に聞かせるに値しない。
その習慣は小さい頃からのもので、うっかり口を滑らして話そうものなら、後で脳内反省会議が開催される。
しかし彼は別。
しっかり話を聞いてくれて、気持ちのいいリアクションを返してくれる。
わけのわからない話でも、適度に突っ込みを入れて整理してくれる。
人に不満を話すと気持ちが少し軽くなることを知った。
相手の愚痴を聞いていると、なぜかお互いスッキリしているという不思議な状態もよく発生する。
だから、好き。
彼と一緒にいると、お互いの纏う空気が溶け合っていくのがわかる。
彼が微笑う。
そこに特 別な言葉はなくとも。
私も微笑う。
ああ、きっとこれが愛なんだ。
