天使を見た記憶 いつか秒針のあう頃 C5 | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の顔がキッと引き攣ったのが

見えたのだろうか。

いや、身の危険を感じたのだろう・・

 

「確かに、行き違いはあったし、

誤解もあった。

俺がもう少し自分と

あの人の立場の差を理解していれば

ここまで最悪な結果に

ならなかったかもしれない。

東京を離れて

こんな僻地に隠れて住んでいるあの人が

哀れだと、可哀想だとは思う。」

 

いきなりぐずぐずと言い訳を始める。

でもよ、

その言い方はなんだよ

完全に上から目線なんだよ。

それがおめえの胸糞悪いところなんだよ。

やっぱり理解はしてないな。

 

「だがな、俺はもう結婚している。

昔の彼女とは言え一般人だ。

子供もいる。

いまさら何をどうしろと言われても

何もできない。

そこを理解して貰わないと

困るんだよ。

あんな、過去を暴露するような絵を

描かれたら迷惑なんだよ」

 

黙って聞いてれば

勝手なことをほざいて。

結局自分だけが可愛いっていう、

こいつの本性はかわるはずもない。

話をするだけ気分が悪くなる。

 

「つまり、俺はまともだ。

俺にあう学歴、容姿の女と

普通に結婚したから

男と出来てたなんていう、

過去の汚点は暴露されたくない。

だからリーダーには

一生この島から

出てくるなってことだよな。」

 

俺は皮肉たっぷりに

おまえの本心を解説した。

 

「べ、別に俺はそこまでは、

言ってない。

ただあの絵は

破棄して貰わないと困るし、

今更何かを要求されても・・」

「リーダーがあんたに

何かを要求したかよ!

全部自分で被って

グループもやめて

姿を消しただろう。

これ以上何を望むんだ。

とっとと帰れよ。

 

あの絵を裂かれて

リーダーがどんな思いでいると

思っているんだよ。

帰れ!二度とリーダーの前に

姿を見せるなよ。」

 

俺は我慢できずに

大声で怒鳴ってしまった。

 

「松本に

文句をつけられる筋合いはない。

俺はあの人と話す。」

 

だが、図太い神経のこいつは全く動じず、

俺を無視して家の中に入っていく。

俺も慌てて後を追った。

 

 

 

 

 

あんたは、あの絵の前で、

裂かれた絵を

ぼんやりと見つめていた。

 

こいつは、

スタスタとあんたの前に進むと

当然という顔で話し出した。

 

「大野さん、

さっきも言ったけど、

原形が残らないように

その絵は処分してくれよ。

それと、俺の肖像画の件だけど、

20周年記念コンサートの・・」

「おまえなぁ、いい加減しろよ・・

我慢にも限度があるからな・・」

 

思わず殴りかかろうとした俺は、

後ろから伸びてきた腕に

止められた。