天使を見た記憶 いつか秒針のあう頃 80 | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

80

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貰ったあ?」

 

思わず大声が出ていた。

 

「松本さんどうしたんですか?」

 

運転中のマネージャーが振り向く。

 

「あっ、悪い。

今さぁ、翔さんが、

リーダーに絵を貰ったっていったんだよ。」

「えっ?

そうなんですか?

櫻井さんの担当には何も聞いていないけど・・。

でも、・・・これで全員に届いたってことですね。」

 

なんとなく、ほっとしたようなニュアンスが感じられて

俺は気になった。

マネージャーたちに何があったんだ?

 

「なんだよ、気になる言い方だな。

そのさ、翔さん担当が何か言ったのか?」

 

俺は、シートから尻を浮かせて

運転席を抱えるようにして

身を乗り出した。

 

「いえ・・あの・・」

「いえ?

あの?

なんだよ、勿体ぶるなよ。

早く言えよ。」

 

決して脅している訳じゃないぜ。

相手がどうとるかは知らないが・・

 

「実は3人に肖像画が送られてきたってこと、

皆で情報共有してたんです。

つまり、絶対に

櫻井さんには秘密にしようって

でも・・・

誰からか聞いたみたいで・・・・・

櫻井さん、凄く荒れて、

酷かったらしいんですよ。」

 

げっそりした顔で

嫌味で疲れ果てただろう、

仲間を思いやるマネージャー。

 

仲間おもいだな。

俺たちも、あの日までは、

傍目には仲良しグループだった。

偽りのな・・・

 

「そうか、そりゃ、災難だったな。

あいつは自分の非は認めない男だからな。」

 

気に入らないことがあれば自分よりも下の人間にあたる。

決して表にはバレないように・・

昔からだからな、その人を見下す態度は・・

 

でもさ、俺についているお前も大変だろう・・

こんな評判の我儘男が相手じゃな・・

 

「はい・・あっ・・いえ・・

とにかくよかったです。

これで、櫻井さんの不機嫌もようやく収まるでしょうから。」

 

腹では思ってはいても、

立場上非難するようなことや、

ましてや、悪口なんか言えないはず・・

相手が仲良し?の俺だと思っているのだから余計にな。

違うのに・・

 

だけど、あいつが自分にも届いたと宣言するとは・・

 

リーダーが贈ったとは思えない。

でも、生放送で当然のように言い切ったんだから・・

もしや・・

 

「ねぇ、本当に届いたと思う?」

「皆さんの誕生日に届いているのですからね。

櫻井さんが一番最後だし・・

遅れて届いたのじゃないですか?」

 

マネージャーは当たり障りのない返事を返す。

納得の行かない俺は、頭を捻って答えを探した。

 

いつの間に番組は終わっていた。

そして、同時に俺のマンションに、車も着いていた。

 

「お疲れ様でした。

明日も10時です。」

 

連絡事項だけ伝えるとマネージャーは

そそくさと、車を発進させた。

 

とにかく、事実を確かめないと・・

あの番組で結局どういう話になったのだろうか?

見ていなかったから、結末がわからない。

知っているのは、スタジオにいた観覧者と、

スタッフと・・

雅紀だ。

 

俺はすぐに、雅紀に電話を掛けた。

だが、繋がらない。

通話中?

こんな時に誰と話してるんだよ・・・

イライラしながら、

何回も電話を掛けるが、

そうそう話は終わらないから繋がらない。

 

「そうだ!」

 

俺はピンとひらめいた。

俺たちが冠番組をもっていた時、

生放送が終わると

すぐにSNS上にネタバレ動画が上がっていたっけ・・

 

もしかしたら・・

俺は、検索してみた・・

 

そこには、番組で雅紀が披露したあんたの絵に対する賛美と

どうしても見せないと言い張る櫻井翔への批判が溢れていた。