魔王6  | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

カズ

 

 

 

 

 

「自分でいうと、恥ずかしいですが、

メンバー5人とも頑張っているんです。

ダンスは平均以上のレベルになるように練習は欠かさないし

歌だってサトがいるから

十分聞かせられるって自負しているんです。

粒ぞろいって言ったのは、皆が同じってことじゃなくて、

いえ、その反対で、個々個性的です。

 

抜群の美形なのがJ。

知性派なのはショウ。

モデルのようなスタイルと人懐っこい笑顔のマー

丸い眼鏡でほんわかした癒しオーラで和ませるサト

そして、少し辛口だけど、突っ込みが得意な俺。

ねっ、どうですか?

 

不遇な時代が長かったですが、

ようやく日の目を見たのが4年前かな

人気漫画をドラマ化することになり、

その主人公にJが激似だったんですよ。

漫画の主人公に似ているって嘘っぽい話だけど

本当にそっくりで。

おかげ様で、広く認知されまして、仕事が増えました。

主題歌も売れて、

ランキング1位になった時は、感動して

歌番組の楽屋で、こっそり祝杯を上げました。

 

Jが頑張ってるのを見て、

2枚看板のショウが俺も頑張らなきゃって、

ニュース番組の

アシスタントの仕事に抜擢されたのが、2年前です。

そのおかげですね、

喜多川物産のような大手商社の

企業イメージCM出演の候補になるなんて、

まだ信じられません。

 

ざっと、ストームのことをお話しましたが・・

これでよろしかったですか?」

 

俺はマネージャーとサトの3人で、

広告代理店、国分社に来ていた、

Jと、ショウはこういう地味な仕事はしない。

今日は二人でグラビア撮影だ。

まぁ絵になる二人だからね。

仕方ないね。

マーは二人が断った

動物園での過酷なロケにでている。

残りは俺たちってこと。

 

だって。まだ決まった訳じゃない。

そうね、売り込みってことだね。

 

国分社の担当は

以前、俺たちがでた食品会社のCMも担当した城島さん。

 

「いかがでしょうか?

新しいことを始めるを主にCMを作るなら、

下積みを経て人気が出てきたストームがいいと思いますよ。

彼らもいろいろと難問を抱えながら苦労してここまで来ました。

喜多川さんも・・・・」

 

人の好い城島さんが必死に相手方の責任者に説明をしている。

かなり年がいっているように見える相手は多分俺らを知らない。

その横の40代らしいおじさんもちょっと悩んでいる。

 

こりゃ、不味いか?

でも、この仕事は絶対に手に入れたい。

出演料も弾んでくれているし、なにより放送回数が多い。

これは俺たちにとって絶対に取りたい仕事だ。

 

となりのサトはいつものようにニコニコと

穏やかな顔でスポンサーを見つめている。

相手もにっこりし始めた。

これは、あと押しか・・・

決め手が欲しい。

 

「サトに歌わせる?」

 

マネージャーが、こっそり耳打ちする。

そうだな、そうするか。

CMの歌を歌えるよって強調するかな。

 

サトと言いかけた時、打ち合せ室のドアが開いて

若い男が入ってきた。

 

「すみません、社からの電話が長引いて遅れました。

今回のプロジェクトを担当します。櫻井翔です。」

 

あいつだ・・

俺はおもわず腹の中で嗤った。