カシンです。これは、アタシ(50代・男)が思っていることを書くブログです。


前回は、「選挙で代表を選ぶ」という意識が間違ってるんじゃないかと書きました。

つまり、「メニューから選ぶ」ではない、ということが言いたいのです。「ダメな代表を交代させる」が目的、と言いたい。

その前に。次の記事をどう書こうか考える中で、これは良い説明を思い付いたんじゃないかというのが見つかったので。またまた脱線して、多数決と選挙について、世の中の大誤解を書いてみます。

以前は同じことを「医者選びと治療法」で説明しました。

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今回は「将棋」でたとえてみます。


有権者みんなで力を合わせて、ものすごく、ものすごく将棋の強い、F さん → と対局するとします。他のプロ棋士でも、中々かなう人はいません。


(方策 1)
  • 毎回、次の一手を全員の多数決で決める

どうです。アタシには、まったく勝てる気がしません。将棋の力量も不明な大勢の人を集めて、多数決で将棋の指し手を決めていったら、でたらめになるのは、目に見えてます。直接民主主義はまずここで敗北。


(方策 2) そこで。
  • F さんと対戦する棋士として、各地の「選挙区」ごとに人気の棋士を選ぶ。この代表棋士たちが集まって相談して指し手を選ぶ
(各地の猛者で合議。3 人まで描いて力尽きた)
相談することに持ち時間を消耗するので、持ち時間が限られてる将棋では現実的ではないかもしれません。でも、この布陣が相手なら、さすがの F さんでもかなわないんじゃないですか???

これが代議制民主主義憲法に書かれてる、現行制度です。いい感じでしょ。

(方策 3) さらにこんな方法ならどうでしょう。
  • 各地のプロ棋士が次の手を考えるので、その中から皆の多数決で決めます

一見、プロ棋士が考えてるように見えますが、実際は素人の多数決で選ぶので、最善手に決まるとは限りません。指し手の良し悪しより、棋士の人気で選ばれそうです。


つまり、良くても 1 人で指してるのと変わらず、悪ければメインの指し手を邪魔するだけです。これでは勝てる勝負も勝てません

これが、現行の運用。実際に行われている、選挙と政治です。「マニフェスト選挙」「党議拘束付き政党政治」です。

なぜか、世の中では、憲法に書いてある制度をねじ曲げて、こういう風に選挙制度を運用をするのが良い、という大誤解が広まっています。
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以上、どうして日本の政治はうまくいかないのか。そして、それでも憲法に定めた制度はとても良いものなのだ、という説明でした。

「マニフェストに書いてあることをする政治家」など要りません。日本を任せられる人を代表に選びましょう。そして、その人たちが存分に働ける環境を整えましょう。


「選挙で決まった党の方針に従う」は、一見、「民主主義」のように見えますが、そこには「うまくいく仕組み」が入ってません。

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お読みいただきありがとうございました。

上の話の長い説明 (10 回連載) はこちらから。


短い説明 (6 回連載) はこちらから。


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