カシンです。これはアタシ(50代・男)が、気になっていることを書くブログです。
前回は、米国キリスト教右派のホモフォビアについて書きました。
次回は、その右派が最近推していて、他からは警戒されてる gender exploratory therapy (GET) について書きます。
今回はその背景説明として、思春期の性別不合 (性別不合のある人で、思春期に入った人) への対処について。前回の話と比べると、アタシは表面的にしか調べてなくて、あまり詳しくは知りません。タイトルの「ジェンダー肯定的医療」は「gender affirmative treatment」の仮訳です。
「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」を日本精神神経学会が出しています。https://www.jspn.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=23
2011 年から、思春期前期の身体的治療をガイドラインに含めています。
- 精神科領域の治療
- 二次性徴抑制治療
- 性ホルモン療法
- 性別適合手術(成年のみ)
このうち、性別適合手術は成年になってから。二次性徴抑制治療と性ホルモン療法は、性同一性障害とはっきりしている場合は、思春期前期から始めることもありえるとしています。
これは思春期に性ホルモンにより急激に性の特徴を体が有するようになるため、そうなる前の時点での、自認の性に想定する体に近づける治療の効果が高いためです。
ここまでが日本の話。
英語圏では 2022 年に WPATH (The World Professional Association for Transgender Health) の診療ガイドラインが改定されました (「Standards of Care for the Health of Transgender and Gender Diverse People, Version 8」) 。
先に紹介した日本のガイドラインより広い範囲 (対象とする本人も、サポートする関係者も) を扱っています。
- あらゆる可能性を考えて、対象本人に最善な方法をとる (未成年なら、可能なかぎり親にも関与させる等)
- (思春期を通して変わることもあることをふまえて) 対象本人のジェンダー認識に肯定的であることが最善
- 思春期の対応を強化
- 生まれたときに割り当てられた性への適合の強要は有害である、と改めて確認
といったのが、改定の、特に思春期関連の特徴です。
ジェンダー肯定的、というのは、本人の発達段階に応じて、十分な情報提供とサポートの下で、本人が認識している、するジェンダーを大切にしよう、ということです。
大規模調査で白黒はっきりさせる、というところまでは来ていませが、幼いころから一貫して性別不合がある場合、第二次性徴の完成を待たずに身体的治療を開始することが効果的だろうことが、現在まで集められた事実から示唆されます。
つづく
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お読みいただきありがとうございました。