第2研究所は伝染性と風土病の流布に対抗する為に、実験体を通じて抗体を作る研究所を立ち上げた
研究レポートによると、ある要因によって普通の人間が実験体に変化してしまうという結果が出ている。
そのある要因とは、我々が今までテレビ等で見てきたゾンビ、或いは映画の様に何らかの接触から感染するのではない。まるで伝染病の様にその地域に滞在しているだけで感染してしまうものであった。
第3研究所はこの危険性について予測をしていた事があった。それはチャリオットの製造に取り掛かり始めた時の事だった。
チャリオットは他の実験体とは異なり、凄まじい破壊力を持っている。何故なら特殊な製造方法により、骨格と筋肉の急速的な発達と強大化を引き起こしたからである。
また試作体として最初に造られたチャリオットは、実験体らのリーダーとして飼い慣らす為に、科学者達に数多くの調節を施された。
まるでオランウータンやゴリラのように、知能ではなく力が強い個体が群を率いるような動物達の攻撃性と若干の知能を利用して、今後の戦闘に活用するためであった
しかし、その期待は長く続かず水の泡となってしまった。それはチャリオットの攻撃的本能が残虐性を帯びて来てしまった為である。
正常発達と群れでの社交性を導く為に同じ実験棟で育まれた実験体らを全て引きちぎって凄惨に虐殺してしまったのだ。
結局、実験体のみならず科学者達の安全の為に、最初のチャリオットであった奴は、実験棟と共に火に焼かれて死んだ。
大火事にも関わらずウイルスによって強化された肉体は焼け残り、第3研究所の科学者達は死体より採取したウイルスから狂暴性を発現させる因子を分離させ、その後同じような事が起きないよう、抗暴力性ワクチンを開発した。
暴力性ウイルスの名称はW(Violent Virus)とし、これに対抗するために開発された抗暴力性ワクチンはAW(Anti-Violent Vaccine)と命名された。第1章終