地域おこし協力隊による町おこしは全国各地で行われている。

 一方でトラブルも報告されており、この頃だと四国地方で「カフェを経営していた人」「限界集落に移住して古民家再生に取り組んでいた人」が、撤退している。

 共通するのは「その町の長老・実力者」とうまくいかなくなったこと、その仲裁に役所が失敗したことである。

 他にも個人的にはいろいろ思うことがあるが、ここでは主旨と異なるので深掘りはしない。言えるのは、このようなトラブル(ミスマッチ)を予防するには、第三者による支援、要するに「支援を専門とする事業者」に、採用から採用後の支援を担当してもらうことが有効であるということだ。

 

 しかし、このような支援を行える人はそんなに多くはない。

 市政刷新ネットワークの人々はまずそのことを理解していない。同時に、そういう人(P議員)がこの町にいて、しかもその人がこの町の地域おこし協力隊出身であることが、どれくらい稀で貴重なケースであるかに気づこうともしない。

 

 そもそも「関係者みんなが幸福になるように支援できる人」を見つけることは意外と難しいのだ。東日本大震災以降、様々な支援団体が生まれたが、その中には「私腹を肥やす事業者」も少なくなかった。

 P議員が地域おこし協力隊の支援事業から手をひけば、この町で地域おこし協力隊に関するトラブルが頻発するだろう。他の自治体では訴訟事例もある。

 そもそも市政刷新ネットワークが「私腹を肥やす団体」であるから、P議員の取り組みも「そのようにしか見えない」とも言える。

 

 一番恐ろしいのは、P議員が地域おこし協力隊支援事業から手を引き、市政刷新ネットワークの誰かが地域おこし協力隊支援事業を始めることだ。それは真正の公金ビジネスとなり、随意契約・癒着にまみれたものになるだろう。

 

 ちなみに…俺がこの町の地域おこし協力隊だった時、住まいは実家だった。

 給与は手取りが月16万円ほどでボーナスはない。身分は「会計年度職員」。

 (現在は法改正によって「非正規雇用・会計年度職員にもボーナスを出すこと」になった。だが実態は「月額を下げてボーナスを出す」が多い。何せ上限が決まっているのでそうするしかない)。

 また、事業資金などを現金で扱うこと、貰うことはない。鉛筆一本から支出伺いを書き、最後は領収書を添付した報告書を提出する。

 何が言いたいかというと、俺の場合、400万円よりも安く済んでいるということだ。

 

 また、俺は「地域おこし協力隊としてもらう生活費」以外にも収入があった。東京からもらうシナリオライターの仕事だ。おそらくP議員も「地域おこし協力隊としてもらう生活費」以外にも収入があったはずだ(地域おこし協力隊は副業OKである)。そうじゃないと3年でカフェ起業・経済的自立は難しいはずだ。

 

 地域おこし協力隊として移住・定住、起業・経済的自立まで至るのは、本当に難しい。それを支援する事業にケチをつけることはこの町の不利益になる(もちろん不正がないかを監視することは重要だが)。

 市政刷新ネットワークという利権団体の想像力の限界が、P議員への(根拠のない)攻撃に透けて見える。

 

 不正がないかを監視するのは、市政刷新ネットワーク関係者が参加している事業の方ではないのか。それをきちんと行ったのが当時の市長だったSなのだ。