姪のインタビューは続く

 

 選挙の時「誰に入れたらよいかわからない」という声は今でもよく聞くのです。

 そういう人は組織票とは関係ない人、いわゆる浮動票になると思います。浮動票の行先には「自分で考えた立候補者に入れる」「投票を棄権する」「選挙で勝ちそうな人に投票する」という傾向があります。現実は「自分で考えた人に投票する」という行動をとる人よりも「棄権する」「当選する人に入れたい」という選択をする人の方が多いです。自分が入れた人が落選することに耐えられないという感覚です。

 これは、自分の中に課題意識やあるべき未来のイメージがないからだと考えられます。そういう人が「勝ちそうな人に入れる」。これは現職・与党にとって事実上の固定票になっているんですね。こういう状況を改善するにはどういう発想が必要か、お考えをお聞かせいただけませんか。

 

 ポイントは2つあります。

 一つは「正解」ではなく「最適解」を考えるということです。

 未来に正解はないです。もし正解があるとしたら「やってみること」ですね。

 未来に対して行動を起こした人だけが、その結果から学び・成長することができると思います。

 未来に対して行動を起こすときは、期待できるメリットとそこに内在するリスクの両面から検討することが必要です。リスクは低い方がよいですが、0にはできません。しかし、正解を求める人は「現状改善などのメリットよりも、リスクがないこと」を正解としがちです。

 ただ、メリットを大きくしようとするとリスクも高まるのは事実です。そこで、「リスクが生じた時の復元力」と「メリットの大きさ」とを比較し、いい意味での「妥協の接点」を見つけることが必要です。この妥協の接点が「最適解」です。

 こういう発想・思考の形がもっと広がればと思います。

 

 もう一つは「議論・討論」です。

 政治・選挙ということで言えば、まず立候補者相互が「討論する」「討論する姿を示すこと」が必要だと思います。立候補者は異なる考えを持っています。それを交える姿を国民に示すことで、国民にも他者と議論を交える習慣を導いて欲しいと思います。討論の目的は勝ち負けではないです。討論の中で課題意識を共有できる立候補者を見つけ、その人の公約を検証し、自らの投票を可否を決めることが目的です。

 つまり、立候補者討論会の主役は国民なんです。

 国民に課題意識や未来のイメージを伝えることが立候補者の義務。

 そういう公開討論から議論が生まれるはずです。

 そして、議論を深めるためには「その場しのぎの解決策」ではなく、「課題を根源から改善すること」「時間はかかっても課題解決効果が高い方法」を意識することが重要です。

 

 最適解を探る議論が日常になると、それが日本をより良くすることになると思います。その入口がエンタメ化です。