A町保育所の移転、田んぼアート事業跡地の利活用というS市長・執行部の提案に対し、市政刷新ネットワークは反対を示す。
ただ、市政刷新ネットワークの方針は「時間稼ぎ」である。
Sの市長としての任期は残り1年を切っている。市政刷新ネットワークの言うことを聞く市長選立候補者も決まった。時間切れ~市長選~S市長の追放~新市長の就任~田んぼアート事業再開というシナリオである。
保育所の移転については、A町の中で新たな土地購入・用地整備・新築と進めればよい。それはW議員や山川さんが得意とすることだ。
(ちなみに、田んぼアート事業用地の購入価格は6,000万円である。この価格は、相場の2倍だ。市の税金3,000万円が山川さんと愉快な仲間たちに流れたと考えてよい。これが彼らの利権構築・ビジネスモデルで、同じことをA町保育所移転でも行おうとしているのは言うまでもない)。
もちろん、S市長に詰められて言質を取られる議員もいる。
ただ、それはS市長が特別に頭がよいとかそういうことではない。世にいう論破芸でもない。「子供の安全確保」という事実を根拠とした当たり前の主張だからだ。
利権に目がくらんだ議員による、市長への憎悪という子供じみた感情やXさんへの畏れを根拠とした主張に正当性があるわけがない。市政刷新ネットワークの旗色は悪い。やはり、ここは数の暴力で進めるしかないよな…と思っていた時、意外なことが起きた。
1期目の若い議員2名が、田んぼアート事業跡地への移転に反対を示したのだ。
二人は、70歳をこえて立候補・初当選したR議員、恫喝裁判のY議員と同じ1年生議員である。ただ、年齢はまだ40代だ。
一人は地元出身で、地元の普通高校を卒業して農家をしている。
もう一人は東京出身で、こちらの大学を卒業して塾講師や地域おこし系の活動などに参加し、前々市長の時、地域おこし協力隊の一期生としてこの町にやってきた。町の活性化につながる様々な活動を行いつつ、自らはカフェを立ち上げてその経営を軌道に乗せた。猟友会のメンバーでジビエの普及も進めている。この町がとても気に入ったようで人間関係もよく、市議会選挙ではトップ当選だった。
この二人は、無印良品出店など市政刷新ネットワークが反対してつぶした案件で、すべて賛成を示している。市民やネットでは「S市長派」と言われており、好感度も支持も高い。
俺も、市議会での発言などから「S市長の考えがわかるレベルの人」「市政刷新ネットワークの愚かさがわかる人」と思っていた。
その二人が、「子供たちの安全のためには移転は必要」「しかし、田んぼアート事業跡地への移転は反対」と言い出したのだ。
どういうことだ??