Y女史がS市長を訴えた「恫喝裁判」の判決が出た。

 俺の手元には「判決文のコピー」がある。また、判決について弁護士である友人の意見も聞いた。判決内容の理解と整理とはついた。

 友人である弁護士とのZOOMを終えたのは夜10時過ぎ。そこから、俺は市政刷新ネットワークのブログを書き始めた。

 そう、俺が市政刷新ネットワークのブログの「中の人」なのである。

 

 今回のブログは「大本営発表」だ。

 ミッドウェイ海戦で空母4隻が沈められても、大本営は「大戦果」と発表した。

 ガダルカナルの戦いで負けても、大本営は「転進」と書いた。

 今回の裁判は、市政刷新ネットワーク所属議員であるY女史が原告である。

 Y女史が大勝利と書くのが大本営発表の精神である。

 

 事実  Y女史の一部勝訴(名誉棄損のみ認められた)

 ブログ Y女史の全面勝訴(裁判所はS市長の名誉棄損を認めた!)

 

 事実  Y女史が恫喝発言をしていないと認める証拠はない。

 ブログ 華麗にスルー

 

 事実  Y女史が主張した損害賠償は認めない。

 ブログ 華麗にスルー

 

 事実  Y女史が恫喝発言をしたと認める証拠はない。

 ブログ 裁判所はS市長の主張を認めなかった。市長は嘘つきだ!

 

 事実  裁判費用300万円は原告9:被告1の割合で支払え

 ブログ 市長は虚偽発言で市に30万円の損害を与えた!

 

 まとめるとこうなる。

 「恫喝裁判でY女史は全面勝訴した。裁判所は恫喝発言があったとする市長の主張を退け、名誉棄損があったと認めた」

 「敗訴した市長には30万円の支払い命令が出た。ただし、この30万円は市が支払うことになる。市長は議員に対する虚偽発言で市に損害を与えた」

 

 この大本営発表は、反市長派に熱狂的に受け入れられた(笑)。

 反市長派のブログ・SNSは、俺が書いた大本営発表の内容を裁判の結果と信じていた。少しあとの話になるが、この大本営発表に基づいて週刊誌に寄稿する人、本を出版する人、ネット上で対談する人が現れた(大丈夫か?)。

 

 大本営発表をしたブログに、俺はある仕掛けをしている。

 判決文を写真に撮り、ブログのページに画像として添付した。つまり、一次資料である判決文と、俺が捏造した大本営発表とが同時に読めるのだ。

 (市政刷新ネットワークの該当ページはまだ残っているのでぜひ見て欲しい)

 

 判決文を読んで事実を理解した人は、市政刷新ネットワークの主張が大本営発表であることがわかるはずだ。Sがよく言う「国語力」のある人、あるいは一次資料にあたることが習慣になっている人は、事実を理解できる。

 だが、そうではない人は、俺が書いた大本営発表を鵜呑みにする。

 

 ちなみに、市政刷新ネットワークの人々は一人を除いて、俺の書いた大本営発表が判決内容であると信じていた。判決文(一次資料)すべてに目を通した人はいない。

 少し読んで、難しいと言って放棄している。

 

 判決文を読み込み、事実をきちんと理解しているのは当事者であるY女史だけだ。

 彼女は、裁判費用270万円の支払いに頭を痛めていた。

 判決が出たのは年末だが、来年の秋には任期満了に伴う市議選がある。

 270万円を支払うと、次の選挙資金が足りなくなってしまうだろう…。