Y女史が市長を名誉棄損で訴えた裁判で、和解勧告が出た。

 この裁判は、Y女史が原告である。しかし、市政刷新ネットワークのボスであるW議員と山川さんとがY女史に裁判にすることを勧めたという背景がある。目的はY女史の名誉回復ではない。市長に対するネガティブキャンペーンだ。

 Y女史は和解に応じた方がよいと俺は思った。Y女史にはそのつもりがあったようだ。その頃山川さんは「Y女史が裁判嫌がるんだ」と俺に漏らしていた。

 だが、裁判を起こした時と同じで、Y女史は「議会の掟」に逆らえなかった。

 

 W議員と山川さんは和解に応じることに反対し、「裁判にはきっと勝てる、それまで一緒に戦いましょう」と言ったのだ。

 和解は流れた。そして、市政刷新ネットワークの議員もふくめた3人の市議会議員がY女史の証人として裁判に参加した。その場にいたが恫喝発言はなかったと証言した。

 

 判決が出た。

 名誉棄損という主張は認められた。

 公人として行き過ぎた発言であるという判断だ。

 ただし、損害賠償は認められなかった。

 「恫喝発言はしていないというY女史の主張」「Y女史が主張した名誉棄損による損害」は否定された。賠償金500万円は却下。

 そして、裁判費用約300万円を「原告9:被告1」の割合で負担するとあった。

 Y女史に約270万円の支払い義務が生じている。

 

 どういうことだ??

 裁判に勝った方が、その費用を負担するというのは…。