山川さんに呼ばれた。
市政刷新ネットワークの事務所に行くと、山川さんより少し若い男性が2人いた。
それぞれ元検察官、小説家と名乗った。市政刷新ネットワークへの支持を表明し、自らのSNSで激烈なS市長批判を展開している方だ。ネット上では有名人になりつつあるが、ご本人に会うのは初めてだ。
話は、有志によるJR線存続協議会のことだ。
市内を走るJR路線のPRビデオを作って欲しいという。テーマは存続の危機。
(半年かかってその結論…とは敢えて言うまい語るまい)
ちょうどよいというか、以前から市内を走る鉄道をテーマとした作品を撮りたいとは思っていた。プロットもいくつか作ってある。
俺は、ある俳優さんを主役・語り部とした旅番組的なものではどうかと言った。
俳優さんの名前も出した。早稲田の演劇サークルでお世話になった先輩で、無類の乗り鉄である。そんな方が出てくれるのかと驚いていた。問題は俳優さんのギャラだ。
田舎の人は、知り合いならタダでオファーしてくれないかとか言いがちだ。
俺は、知り合いだからこそ正規の価格でオファーしたいと伝えた。そういう人をお招きすればマネジャーやメイクさんなどもついてくる。照明・音声のスタッフを東京から呼ぶことも必要だ。
正規価格を伝えると、かなり驚いていた。
俺は、これくらいの規模で作れば当然作品の質は高く、PR効果も大きいはずだと続けた。だが、予算的に厳しいのであれば、俺が企画・脚本・撮影・編集のものになる。観光協会時代に作っていたPRビデオと同じだ。
翌月の協議会で、俳優案は否決された。
口は出すけど金は出さない。
JR線存続協議会の会場に自家用車で集まる人なんてそんなものだ。
同時期、俺には東京からのオファーがあった。