計算問題、一番最初に習う数学の基本中の基本でありながら、一番最後までついてまわるものです。
入試においても、もちろん、「解く」という過程においてずっとついてきますが、単純に計算問題としても出題されます。
では、その配点は?
数学というのは大体、20問で構成されています。上位校になればなるほど問題数は減り、最上位校だと12問くらいです。そして、基本的には均等配点です。
つまり、計算問題で5点~7点、8点
どんなに難しい問題を取っても5点~8点、計算問題一つと点数は何も変わりません。
では、その割合は?
上位校は少ない。
1問しかないとか、一問もないなんてこともあります。
が、たいていの学校は20点分くらいはあります。
入試ですから、実力勝負。
なかなか解けないような問題を解くことでアドバンテージを得て、合格していくわけですが、誰でも取れる問題を落としたら、合格の二文字は遠のきます。
そして、その誰でも取れる問題に含まれるのが、計算問題です。
計算が弱いといかなることになるのか。
それはつまり、5点を失うという事であり、
さらには、せっかく分かった難しい問題すら、処理ミスし、せっかく得られたはずのアドバンテージを失う可能性が高いという事になります。
さて、この計算の重要性は分かりましたね?
ここからが本題。
気をつけようぜって話なわけですが、もう少し俯瞰しましょう。
キミのミスは本当にミスですか?
例えば、
次の計算をしなさい
さあ、解こう!
パッと見て、違和感を感じられますか?
感じた方、OK。
感じないよって方は、計算というものを理解していません。
はい、これ、何がいかんの?
中一の皆さんでも、もうわかりますよね?
計算しなさいと言われているのに、分母を払ったことがダメ。ですね。
これはケアレスミスでかたずけていいレベルの間違いでしょうか?
違います。
この人は、「計算」と「方程式」を混同しているんです。
ミスではありません。
根本として、わかっていないのです。
中学校に入り、文字式を扱い始めます。
最初はよくわからなくって苦戦する。
しかし、やっていくうちに「なんだ、数字の計算と同じルールなんじゃないか」と理解します。
しかし、そのルールが分かったと思ったら、すぐに「方程式」なるものがやってくる。
ここが厄介で、「計算せよ」と「方程式を解け」というものは形が似ているんですね。
全く違う作業であるにもかかわらず!
そして、新たに習った方程式の解き方が前に習った文字式の計算ルールを侵食します。
例えば、「分数は消す・小数は10倍」とか。
計算が苦手な人、苦戦する人は、そもそもとして分数が苦手な傾向にあります。
小学校のときから、分数が嫌いで嫌いで仕方ないのです。
そこへ、方程式という便利な奴が登場します。
なんと!分数じゃなくなってくれる!なんて便利なんだ!
そして、「分母は消してよい」という誤った理解を脳に刻む。
ミスなんかではない。
理解していないんです。
人ですから、怠けたいんです。
出来ることならば、なるべく労力をかけずに処理したい。
そうして「楽に見える誤った方法」を勝手に採用してしまうんです。
脳ってものは厄介ですね。
計算間違いを無くしたいならば、まずは計算のルールをしっかりと確認しなおしましょう。
そして、「ミスじゃない」と認識しましょう。
きっと、キミは計算というものが根本的にわかっていない。
だから、間違うんです。
同じ「計算問題」と一括りにされている計算には、実はいろんな種類の「計算」が存在するんです。
分数の計算、正負の計算、文字式の計算、方程式を解けなどなど。
そのどこかに「よくわかっていない部分がある」だから、間違う。
その粗探しをしない限り、いつまでたってもキミの計算力は向上しません。
だって間違ったルールでずっとやっていて、それを「間違っている」と認識せずに「ミスである」と認識しているのだから。