こんにちは雪月 剛(ゆづき ごう)です。

 

   きょうはSF的架空のお話-------                           

     番外編とします。

 

いつもと同様要所と思われる箇所は、紺色ないしは黒色の大文字か斜体文字にしておきます。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 

  では-----------

 

 99対1

 

 ここでは、私の推測と想像でつくった「SF的に仮定した!?」 のお話を譬(たと)えてみます。

仮にです、或るところに100人の人間がいたとします。

 

  その100人中には私も入っていると仮定をして---------

 (千人でも万人でも、どれだけの数に譬(たと)えても、それは一向に構わないのですが-----)


その100人には、100人全員が何処の場所に結集したら良いのかを、どうしても決めなければならない事態が発生していたとします。

 そして、99人の人間が、と或る場所を指定しようとしました。

 

けれども、 その中で皆と全く異なった意見をたった一人だけ、 私が具申したとしましょう。


 数的には99対1となります。


多数決の原理〈 ムラ社会の歴史で構築された日本人の大方は多数決の本当の意味を知らないまま----- 〉から測れば、

 反対意見を主張する私は除外ということになるか、それとも、それでも一人強行に意見を主張していれば、

それは、それこそ、下手をすると狂人扱いさえ受けかねないものとなりましょう。 

 

  反対意見をするものは、100人中、 何せ、 たった独りしかいないのですから-------


{ ムラ社会歴史のない、狩猟民族社会が基(もと)といわれる欧米で起きた元々の多数決の本当の原理は、少数意見をも尊重した上で決する、だそうです。 }


そこのところを、もっともっと突っ込んで追及してゆきますと、

 多数決だけのお話だけでは終わらなくなってしまう譬(たと)えとなってしまうものです。

 

 〖 人種文明の成り立ち、と、人間社会の権力とか支配層の原点 〗に繋がってゆく所以からです。

 

 私以外99人の中には〖 私の言 〗を聴いて、

『 ヤツの言うことにも一理あるかなァ、 だけど しかしなァ、 ヤツ一人しかいない「言」を聞き容れた

  としたら、 俺も他のヤツラに憎まれ疎(うと)まれてしまいかねない、

  皆とは一緒に居辛(いづら)くなってしまうわなァ。

  ヤツ一人のお蔭で、 俺までが疎まれてしまったんじゃあ敵(かな)わんわァ―― 


続けて 

『 それになァ、 今まで長い間ずっと平穏無事で過ごしてきているというのに、

 アイツ(私のこと)の言うように、 そんな大地震が本当にくるのかァ!?

  まあ、 用心に越したことはないわなァとは分るんだけれど、 他のヤツら殆どが、

 ヤツは気が狂っていると言うんだ。

 

  ましてや、 ヤツが、 たった独りで言ってることだしなァ、

   まァ、 ここは皆に逆らわない方が無難(ぶなん)、 巳(み)のためだわな。

  こんなことでヤツと心中(しんじゅう)なんてできんしな、 そんなの堪(たま)らんわァ 』 


って、 少なからず、心中(しんちゅう)では、 そう迷った人がいたとしても何の不思議もない---が!?  

 

けれど、 何せ、 時の勢いには抗(あがら)わない! この相(すがた)こそが、

〖身の保身だけが強く、目の先しか見ることが敵わない人間の性(さが) 〗----------


 私の譬え話


人間社会の習性として、 99人の中にボス格の人間がいたと仮定しても、

  そのボス格の者だけが支配層で権力者ではないと私は捉えます。

どんな弁解を唱えようとも99人全員が結局のところは、 数学で解くところの方程式的に譬えてみると、

〖 99人=権力者で支配層 〗となってしまうものだと捉えるものです。


ここで、私は、チョッとだけ理屈をいって措きます。


 現代文明、 及び文明機器に拠って守られて育っている人間は、 

本来持っている筈の動物的自然本能(第六感!?)がドンドンと退化しているとは生物学者がよく言っている論説です。

〈 止むなく、幼い頃、人間に飼育されてしまった野生動物を、そのままで野生に戻したら野生では生き抜いてはいけないという現象と酷似 〉


生物学的に動物、特に野生動物は、大きな災害の襲来前には安全地帯へと、より早く逃避を始める習性(本能)を持っているようだとは、

 夙(つと)によく知られているところです。 


文明という存在がない野生動物には、生きるために、所謂、 自己防衛本能機能が損なわれずに健在しているからの所以なのでしょう。


 先述の元ⅯD社(株)幹部社員尾花(仮名)という人物ですが、地震発生前によく予見をしていました。

そして、大きいとか、小さいとは別にして、予見通りに必ず地震が起きている事実を私は知っています。

 
 地震学〈嘗ての、師とも師事したお人が戦前の東京帝國大学地震学出身---〉にもあるそうですが、

彼 尾花氏は、空に浮かぶ雲、地震雲の発生を観て予見出来ると言っていました。

 尾花氏の訓示を幾ら受けても、私には、到頭 分からずじまいになってしまいましたが----------


先ほどの話に戻ります。 今のお話を取り容れるのです。


 尾花氏の言う地震雲をシッカリと眼にしたとして、それに加え、野生の動物たちと同様の動物的本能、第六感の強さを特殊的に備えた架空の私が、

タイマンする相手が喩え「1対99」だとしても、自分と皆を守るためには断固として、


 『 俺、 今ね、もの凄く胸騒ぎがしているんだ! 地震雲も観たんだよ。 

  皆で決めようとした その場所がね、最も危険な場所だと報らせる胸騒ぎがする、

    感じるんだよ! もうすぐ地震が来るみたいなんだ。

 

    だから、 だからね、 そこに行くのは絶対に止めようよ皆ァ!  絶対にゆかないで! 

  ここだってさァ 危ないんだよ! 

     だから、 少しでも早く、 早く遠くに逃げようよ、 ねえ 皆ァ--- 』 


と架空の私は、必死になって99人に訴えたのです。


 でも、 しかし、そのとき私たちのいる周辺はといえば、

      なぜか皮肉にも、平時以上に全てが穏やかで平和平穏無事そのもの----------


 99人全員から見た私への扱いは--------- 


『 バカ言ってんじゃあねえよ、 オマエ!! みてみろよ、 そんなバカなこと言ってんの、 

   オマエ独りだけじゃあねぇかよお―、 

  こんな静かで平穏なのに、 

    他人(ひと)を惑わすようなゴチャゴチャと細かしく難しいことバッカシ言いやぁがって、

 

 他人(ひと)を徒(いたずら)に脅すのもいい加減にしろ! 見ろよ、 みんな気楽にやってるだろ―、

   お前みたいなウルセェすっとこどっこい野郎なんか、 とっとと、 どっかへ消え失せやがれ! 

   消えろ! 』 

ッて 罵(ののし)られ、 ただの笑いモノ、 変人、 狂人扱いされただけです。


 変人、狂人扱いをされ、誰も話を聞き容れて貰えなかった架空の私は、それでは仕方がないので、

 出来得る限り安全と思われる場所に、

たった独りだけで避難をしてゆきました。

 

 しかし、しかしです。

自然の力は強大で恐怖で偉大でした。 予見をした通りに間違いもなく地震が襲って来たのです。


 その時機(とき)、 その瞬間、 私一人を除いて、 99人の全員が予定通りの場所で集合をしていました。

偉大な自然は、 99人の人間たちの集まったその場所を最もなタ―ゲットにしたようです。


 その場所(地上)は、 99人全員を載せたまま、 あっという間に大陥没を起こしました。

オマケにその深い深い穴の底には恐ろしいマグマ(溶岩)までが、 それこそ 噴出、 煮えたぎり、

 とぐろを巻いて 待っていたのです。


  99人は、 そのマグマの中へと真っ逆さま!!


後には何にも、影も形さえも全く残さず、 一瞬、 煙のように消滅していました-------------------

 

 私が勝手に創作したお話ではありますが、現実に、この現象は人類が持つ悲しい性(さが)です。

それでも、世界に棲む白人種は、歴史が示す今日までの彼らの生存競争の激しさ厳しさ故に、

  感覚の麻痺さ加減が、日本人種ほどは劣っていないようです。


 国内の小競り合い程度はあったとしても、

長い長い歴史中を海洋という要塞(ようさい)に守られてきたという

 DNAの 性(さが)を持つ日本人種は、

99人全員の方向となってしまう傾向〈業〉が、殊更に強い人種だと捉え、

  ここに譬(たと)えてみたのです。


  -------以上、番外編は終わります。

        ノンフィクションシリ―ズ㉞へと続きます---------

 

  2020年2月1日

               雪月 剛(ゆづきごう)