沖縄県外への移設を掲げた首相の“公約”は、反故(ほご)にされた――。

 米軍普天間飛行場の移設問題は25日、政府が米軍キャンプ・シュワブ(名護市など)陸上部など県内2案を軸に米側と交渉入りすることが判明し、県民が新政権に寄せた大きな期待は裏切られる形となった。「沖縄を愚弄(ぐろう)した」。県内には激しい怒りが広がった。

 シュワブ陸上部案と並ぶのは、勝連半島(うるま市)のホワイトビーチ沖埋め立て案。うるま市では同日夜、同案に反対する市民総決起大会が開かれ、集まった約650人が気勢を上げた。

 主催者側が「鳩山総理は『最低でも県外』と表明した。沖縄を愚弄する政治に怒りをもって抗議する」との決議案を力を込めて読み上げると、満場の拍手で採択した。住民の女性代表、青年代表たちが埋め立て反対を訴えるメッセージを読み上げるたび、「そうだ」などのかけ声とともに大きな歓声が起きた。

 政党代表として来場した民主党沖縄県連の新垣安弘幹事長は、壇上でメッセージを読み上げる番が回って来ると、「民主党への怒りがわき上がっていると思う。本当に申し訳ない」とおわびするしかなかった。

 県連の議員団は24日、平野官房長官と面談し、県内移設反対を訴えたばかり。メンバーだった地元選出の山内末子県議は「辺野古に反対しながら、同じ海を埋め立てる案なんて自公政権より悪い。なぜ県外移設に本気で取り組んでくれないのか」と唇をかんだ。

 名護市の稲嶺進市長も25日夕、市役所で記者団に「首相は県民の思いを大切にすると繰り返し言った。その約束は何だったのか。あきれて物が言えない」と怒りを抑えきれず、声を震わせた。稲嶺市長は、同市辺野古のシュワブ沿岸部を移設先とする現行計画にも、陸上部案にも反対している。「私も、市議会も、県議会も、地元住民もダメと言っている。実現可能性はゼロに近い」と強くけん制した。

 現行計画を容認する辺野古の住民でつくる「代替施設推進協議会」の宮城安秀会長(54)も「(陸上部案は)ヘリが集落の上を飛び、普天間の危険性をそのまま辺野古に持ってくることになる。とんでもない話。全区民を上げて反対する」と憤りを隠さなかった。

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