不忍池(しのばずのいけ)は、
上野恩賜公園(東京都台東区)にある天然の池です。
上野公園の南端に位置し、
周囲は約2km、
面積は約11万平方m(東京ドーム2個分)です。
中央に弁才天(仏教の守護神のひとつです)を祀る(まつる)弁天島(中之島)があります。
また、
池は遊歩のための堤で3つの部分に分かれており、
蓮(ハス)で覆われる蓮池、
ボートを漕いで楽しむことができるボート池、
上野動物園の中に位置し、
川鵜(カワウ)が繁殖している、
鵜の池、
の3つです。
弁天島に建つ石碑によれば、
「不忍池」の名は、
かつて上野台地と本郷台地の間の地名が、
忍ケ丘(しのぶがおか)と呼ばれていたことに由来するそうです。
1625年、
江戸幕府は、
西の比叡山延暦寺に対応させ、
この地に寛永寺を建立いたしました。
開祖である慈眼大師は、
不忍池を琵琶湖に見立て、
竹生島(ちくぶしま)になぞらえ、
弁天島を築かせ、
そこに弁天堂を建設しました。
因みに、
竹生島は琵琶湖北部にある無人島で、
日本遺産に認定されています。
慶応4年(1868年)、
彰義隊の戦い(上野戦争)で、
東叡山寛永寺は多くの伽藍を焼き払われて落城しました。
これは、
戊辰の役のおける江戸で唯一の戦争で、
当日の朝、
官軍が放った砲弾が不忍池に落ちて、
水飛沫(みずしぶき)をあげたのが、
戦闘の引き金だったとも言われています。
上野の山が公園に指定されたのに伴い、
1875年に不忍池も公園に編入されました。
しかし、
1884年の競馬場の建設に伴って埋め立てが行われ、
ほぼ現在の形になりました。
不忍池では、
渡り鳥などを合わせて数十種類の鳥類が見られ、
多い時には一万羽を超えることもあります。
森鴎外の「雁」、
夏目漱石の「こゝろ」、
川端康成の「帽子事件」、
など、
多くの文学作品の舞台になっています。
上野公園のお花です。
もうすぐ牡丹園で、
牡丹の花が見頃になります(1月1日〜2月下旬です)