そう思いこんでいた私にとって、大阪(それも住まいから徒歩3分)にこれほど安くて美味しいお蕎麦やさんがあることに驚きと感動を覚えました
今宵ご紹介する十割蕎麦専門店 山野屋がそれです
店は中央区船場中央4丁目、船場センタービル地下1階の食堂街にあります
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料理の話に入る前に、「船場」と「十割蕎麦」についてちょっと調べてみました。
![ザルそば](https://emoji.ameba.jp/img/user/pe/pew/559777.gif)
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船場という地域は、かつては大阪の町人文化の中心地。
ここで使われていた言葉が大阪弁になったとも言われるほどです。
船場の語源については諸説ありますが、私は、水の都大阪にふさわしく、昔の船着き場に由来して「船場」と名づけられたという説を支持します。
(支持しても特にどうということはありませんが)
船場といえば繊維問屋の街というイメージを持っていましたが、今では証券会社や銀行の看板が目立ちます。ちなみに、「大証」で知られる大阪証券取引所も“北船場”と言われる北浜一丁目にあります。
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次に十割蕎麦(じゅうわりそば)について。
蕎麦の原料はもちろん蕎麦粉ですが、蕎麦粉に水を加えただけでは練ってもまとまりにくいという性質があります。(蕎麦粉は、粘り気を出すグルテンが形成しにくいからだそうです)
そこで通常は小麦粉や山芋などをつなぎとして加えます。
その割合で蕎麦の呼称が変わります。例えば「二八蕎麦」と言えば、「小麦粉が2割入っていますよ」という意味なんですね。(今さら「釈迦に説法」ですが)
ですので、「十割蕎麦」は蕎麦粉100%ということを意味します
では“練ってもまとまりにくい”100%蕎麦粉で蕎麦を造るにはどうするのか
一般的には水の代わりに湯を加えて粘り気を出すのだそうです。(このほかにも、蕎麦粉を糊化させたものをつなぎとして使う方法、微細製粉を水で練って造る方法、押し出し麺で造る方法などがあります)
もちろん、従来の「粗挽き蕎麦粉を水で練る方法」で十割蕎麦を造る名店もあります。ここまでくると、まさに熟練の技ですね
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前置きが長くなりましたが、いよいよ山野屋の蕎麦をご紹介しましょう
ときは12/2(金)。大阪生活の2日目。
早くも東京の友人(大学の同級生)が訪ねてくれました(ただし男性です
)
とは言っても、たまたま大阪出張の帰り道に寄ってくれたのですが (でもわざわざ声をかけてくださるなんて…。本当に「持つべきものは一生の友」です
)
ちなみに、彼は某新聞社の敏腕政治記者。しかも柔道家で全国の食に精通した偉丈夫です
二人で食した今夜の料理とは…
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もう恒例となった“とりあえず”の生ビールで、久しぶりの再会を祝しました
ジョッキが凍ってドぎんぎん。のど越しサイコー
すぐに2杯目と、「お互いに野菜不足を補おうぜ」ということで、サラダ類を注文。
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温泉玉子を全体に混ぜて、ふくよかな味わいです
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右:ごまがたっぷりシャキシャキ大根サラダ
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品名の通り、シャキシャキ感がいいですねぇ
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左:豚ヘレの天ぷら(シングル 5~6貫)
「豚ヘレ」という名も珍しければ、それを天ぷらにしてしまう発想も珍しい
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塩でいただくもよし、天つゆでいただくもよし…
これが実に美味いんです
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右:じゃこのかき揚
当店名物の極厚デカかき揚です
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サクサクしていてビールにぴったり
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常山酒造さん
(画像は寺ちゃんのお酒日記からお借りしました)
常山 特撰純米酒は、地元の酒米「五百万石」を40%削り込み(精米歩合60%)、生で貯蔵し瓶詰め前に火入れを行った製法で、生貯蔵酒の部類に入ります。
初めて飲んだのですが、香り高く味わい深く、バランスのよいお酒でした
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そして、蕎麦の前に「お蕎麦やだったら玉子焼きだよね」と意見があって注文したのが自慢のだし巻きです
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大ぶりのだし巻き玉子は、ふわふわとろとろ
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お出汁の味わいも濃過ぎず薄過ぎず
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次回からは私の定番にしよっと
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友人が注文したゴマざるそば
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私も一口いただきましたが、ゴマだれのつけ汁が絶品
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次回はこれを注文しようと心に決めました
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私が注文したねぎごまそば
白ゴマとネギがたっぷり乗ったぶっかけそばです。
ネギ好きにはたまりませんね。
多少濃いめの味付けながら余韻はあっさり
そして何よりも蕎麦が少し固めに茹でてあって、歯ごたえが絶妙なんです
この歯ごたえを維持する茹で方を、私はそうそう知りません
今夜ももちろん
を贈ります
満員の店を出て、友人とは御堂筋線本町駅の改札口で別れました。
今度はいつ会えるだろう…
帰り道はとても冷えます…
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ここで問題です。
以上の料理(実はさらにもう一品ありましたが、それはあまりオススメではなかったのでカット)とビール・日本酒でいくらだったと思います
なんと…
3,120円なんです。
えっ、「一人3,120円
ちょっと高いんやない
」ですか
いえいえ
二人合計で3,120円なんですよ、これが
このうち、この夜に食した蕎麦の値段はいくらだと思います
なんと…
1杯380円
これだけの本格的な蕎麦が立ち食いレベルの値段なのです
(どないなってんねん)
これだから、私にとって大阪はワンダーランドだっちゅうの
そう。
「不思議の国」であると同時に、「おとぎの国」でもあるのです
Special thanks to Henshucho-san from ろっきぃ