せっかくSP分を当ブログ比最速のペースで上げたのに、FSは安定のグダグダ更新でお届けとなりました(笑)

いや今週から本格的にほぼフルタイム勤務となったのですが、このフルタイム勤務が十数年のんびりパート仕事をしてきた身には想像以上に堪えるらしく(笑)、帰宅して夕食と家事を済ませてからちょっとネット覗いたらもう寝落ちしちゃってたりするという……何も進まない💦

そんな訳で週明けとは言い難いタイミングでの更新です。世間はGPFの中止と急に飛び出してきたルール改正の話題が中心でしょうが、空気読まずにロステレ杯男子FSです。

 

 

プロトコル

ジャッジパネル

レフェリー : カナダ

テクニカルコントローラー : イタリア

テクニカルスペシャリスト : メキシコ

アシスタントテクニカルスペシャリスト : ハンガリー

 

GOE採点ガイドライン(プラス面)

ジャンプ

1)高さおよび距離が非常に良い(ジャンプ・コンボおよびシークェンスでは全ジャンプ)

2)踏切および着氷が良い

3)開始から終了まで無駄な力が全く無い(ジャンプ・コンボではリズムを含む)

4)ジャンプの前にステップ,予想外または創造的な入り方

5)踏切から着氷までの身体の姿勢が非常に良い

6)要素が音楽に合っている

※+4および+5は太字で強調表示されている最初の3項目が満たされていなければならない

※本文中はこのプラス要素の何処が該当しているか番号だけ記載していくので参考までに

 

 

 

モリス

TES87.62点(BV81.59/GOE6.03)、PCS84.34点、ディダクション-1.00点、TSS170.96点

冒頭の4S-2Tは踏切から着氷まで問題なく、2) と 5) で+2が貰える出来映えだと思ったのですが、ジャッジの評価は意外と渋かったようですね(+1の方が多い)。あの踏切の4Tにはバンバン高得点付けるのに謎だわ……

3Aは空中で軸が傾いたせいか着氷がやや堪えてあまり流れませんでした。空中姿勢が稚劣で-1か、±0とするかだと思われますが、ジャッジは±0の方が多かったですね(6対3)。私は厳しめ寄りで-1としました。

4T-3TはSPの時と変わらず左足のブレードべったりで半回転回って踏み切る稚劣な踏切で-2、姿勢と流れはいいので 3) 5) で+2、差し引き±0ですね。これに+3付けているジャッジ(1番ロシア・2番ドイツ・3番チェコ・5番アゼルバイジャン・6番アメリカ・8番イタリア・9番カザフスタン)って、高さと幅か踏切と着氷かどちらかを評価した事になるんですがどっちもないでしょこのジャンプじゃ……

3Loは流れのある綺麗なジャンプで 2) 3) 5) で+3だと思うのですが、何故かジャッジは+2だらけだという……こういうきちんと跳んでるジャンプにちゃんと加点付けないの本当に謎だわ。

後半の4T転倒を挟んでの3F-1Eu-3Sは、リズムも良くないし着氷もあまり流れずこれといった加点要素が見当たらないのですが、ジャッジは+2の大盤振る舞いですね……私は±0だと思うのですが。その癖最後のきっちり決めた3Fには、踏切も姿勢も良かったのにちゃんと評価しないジャッジがいたりする……こういうジャンプにこそきちんと+2をつけるべきだと思いますね。

ここから「プロトコル検証ブログ」にあるまじきことをちょっと書きますが(笑)

これがリッツォやロマンくんのような「楽曲の世界観を魅せる」ような演技だったなら、まぁ優勝もPCSも仕方ないかなとも思うんですよ。でもねぇ、ぶっちゃけ「ジャンプ7本中6本は転ばずに降りました」というだけの演技(暴言)では到底納得出来ないですよねぇ。

PCSもねぇ、肩をすくめて手首ひらひら振ればジャズの振付になるってもんじゃない(ハン・ヤンのFly mi to the moonと比べてしまうよ……ていうか素晴らしいシナトラの歌をよくもまぁあそこまでぶっつり切って繋げるだけの駄プロに編曲したもんだ)、それであの8点台半ばのCOやINはないでしょ。

見た目ノーミスのSPが41.50(83.00)なのに、転倒があったFSが42.15(84.34)ってどうにも解せないし。やっぱりSSやTRに8.75が付くのはおかしいと思うし、PEやTRやCOに9.00もない(3番チェコ)と思うんです。

その辺りを修正してPCS82.96点(8.18・8.16・8.40・8.37・8.37)、ジャンプのGOEを修正して84.69点(BV81.59/GOE3.10)、TSS166.65点。SP(92.71点)との合計が259.36点となりました。

本当に何度もいうけれど、あの4Tを「トゥループ」というのはどうかと思うよISU。

 

 

 

コリヤダ

TES92.52点(BV85.64/GOE6.88)、PCS88.64点、ディダクション-1.00点、TSS180.16点

冒頭の4Sは残念ながら跳んだ瞬間に軸が曲がって転倒。これに-4を付けた9番カザフスタンはどういうつもりなのかな?両方お手付き等の「転倒扱い」じゃなくて完全に転倒だったよね?何かと相殺する余地は何処にもないと思うんだけど。

もっとびっくりなのは次の4T、SO(-3)と両手のタッチダウン(-2)があるので-5、加えて言うならテクニカルは取ってないけどこれ回転足りなくてqだよね?それも考えると-5以外の選択肢はないと思うんだけど、何で-4が5名(2番ドイツ・3番チェコ・4番ジョージア・7番ハンガリー9番カザフスタン)、-3が1名(8番イタリア)がいるかな?-1の1番ロシアに至ってはは正気を疑うレベルなんだけど。ジャッジは本当にルール理解してるんだろうか?これだけで1.05点違うから、ここちゃんと減点しただけで友野くん2位なんだけど。

ただ流石ベテラン、ここから見事に立て直しましたね。

続く3A-2Tは踏切から着氷まで綺麗な素晴らしいジャンプで、+3は文句なしだと思うのですが、何故5番アゼルバイジャンは+1とか激渋採点なんでしょう?

後半の4T-3Tもクリーンに決まりました。これも2) 3) 5) で+3でいいと思います。これにも+2がちょこょこといますが、前半4Tをきっちりマイナス取らないくせにこういうきちんと跳べたジャンプに加点渋るとかどういう採点基準なんだろう?って疑問でしかないわぁ。

単独の3Aもイーグルから綺麗に決まりました。これも+3~4ので出来映えだと思います(こっちとコンボの評価に差がつくジャッジの基準がよく分からない…)。

最後の3Lz-1Eu-3Sは3Sがqだと思うんですが。プラス要素との差し引きで±0だと思うんですが、仮にqを取らなかったとしても1番ロシアの+3はないと思う。

その辺りのGOEを修正してTESは91.19点(BV85.64/GOE5.55)としました。

PCSですが、この出場選手の中で一番高いPCSを貰うに値するのは間違いなくコリヤダだとは思います。ただこの数字が正しいかと言われるとちょっと首を傾げる部分もあるかな。

今季ISU公式戦初戦のフィン杯が86.84(ジャンプ1抜け1ミス転倒なし)、イタリアGPが87.78(SO3回)、そして今回が88.64(ジャンプ1コケ1ミス)。何となくミスが大きくなっている気がするのですがPCSは上がり続けているという……他の部分の内容がよかったとしてもどうなんでしょう?

「コリヤダでも90超えないんだな」という呟きを見かけましたが、流石に冒頭の大きなミスふたつある状態ではコリヤダでも90超えは無理かと思います(だからこそ先週の鍵山くんFSの90超えにはかなり異論を唱えたいのですが)。取りあえずPEの9.00はないと思うな私は。

迷いましたが「試合内での整合性」を優先し、PEを微微調整(誤字ではないw)して88.60点(9.00・8.82・8.66・9.00・8.82)としました。

TES91.19点と合わせてTSS178.79点、SP84.00点との合計262.45点となりました。モリスより高いね(笑)

 

 

 

友野くん

TES86.04点(BV84.84/GOE1.20)、PCS83.34点、ディダクション-1.00点、TSS168.38点

冒頭の4T-3TはSPに引き続き綺麗に決まりましたね。2) 3) 5) で+3は確実に貰える出来映えだったと思います。これに+2(4番ジョージア・7番ハンガリー・9番カザフスタン)はちょっと辛いでしょ。+4の2番ドイツは甘いと思うけど。

4Sはちょっと高さが足りなかったか回転が締めきれなかったか、回転が足りずに着氷でOTと片手のタッチダウン、回転不足のqも取られていしまいました。こういう複合エラーというのは見た目の印象より減点が大きくて。今回もqで-2・タッチダウンで-1・OTで-1で合計-4というかなりの減点になるかと思います。これに-2(1番ロシア)っていうのはいくら何でも甘過ぎ、逆に-5の3番チェコ・4番ジョージア・5番アゼルバイジャン7番ハンガリーはタッチダウンを-2でとったんだろうか?-3の6番アメリカ・8番イタリア・9番カザフスタンは何かを引かなかった(多分タッチダウン?)のかな。ピンポイントに-4がいない不思議w

4Tは素晴らしい出来映え、最低でも+3、+4でも遜色ないくらい高さと幅もありました。これに+2を付けた9番カザフスタンは本当に意味不明です(モリスの4Tには+3付けてるのに…)

これで持ち直したかと思ったのですが、ここからも苦しいジャンプが続いてしまいました。

3LoはSO(-3)と片手のダッチダウン(-1)で-4、これに±0つけた2番ドイツは何を見たんだろう?正直-3でも甘いと思うんだけど。

3A-1Eu-3Sは最後でOTしてしまいました。これに+1つけた2番ドイツ、お前絶対寝てただろ!ってレベルなんですが(もしくはルール分かってないレベル)。高さと幅で相殺したとしても±0にするのがやっとだと思います。

3Aは転倒しましたが、最後の3F-2Tは根性でしっかり跳んできました! 3) 5) で+2はいけるコンボでしたが、±0の5番アゼルバイジャンとか、+1の3番チェコ・4番ジョージア・6番アメリカ・9番カザフスタンとか、どうみても厳しすぎるんだけど。

StSqはしっかりレベルも取れているし「要素が音楽に合っている」「エネルギー、流れ、出来映えが十分で、開始から終了まで無駄な力が全くない」「エッジが深く、明確なステップおよびターン」は満たしていると思うので+3でいい出来だったと思うのですが、+1~2が多いのはちょっと謎。そしてあの迸る情熱のChSqに+1を付けた3番チェコは体育館裏じゃなくて本牧ふ頭に呼び出すレベル。

このChSqは全選手中一番の評価を得ていました。最後にコレオで盛り上がるスタイルをネイサンに似ている(どちらかというとマイナスな見方で)という意見も見ましたが、唐突にヒップホップが出てくるネイサンのプログラムと違って、元々この楽曲は最後こうやって盛り上がっていく流れですからこれでいいんじゃないかなと私は思います。ネイサンとかロシア勢の謎編曲とかはそういう自然な曲の流れがないんだよねぇ……

PCSはSPと同じく「SSは友野くん>モリス」「それ以外は友野くん<モリス」になっていて、やっぱりどうしても納得がいきません。確かにミスは友野くんの方が多かったですが、エレメンツの繋ぎでの振付ひとつとってもCOやINがモリスの方が優れていたとはとても見えないんですよね。あくまで主観ですけれど。

個別の採点を見ると、8番イタリアがTR6.75とかいう押し間違いかってレベルのあり得ない採点していて(COも1人だけ7.50とかいう理解しがたい採点)、この部分は明らかに逸脱していると思われるので外して計算し直す事にしました。

TESがジャンプ・スピン・ステップ・コレオのGOEを修正して86.81点(BV84.84/GOE1.97)、PCSもTRとCOを修正して83.48点(8.50・8.13・8.39・8.33・8.39)、TSS169.29点。SP96.40点との合計が265.69点となりました。

 

よってやまぽんブログ的ロステレコム杯の順位は以下の通りになります。

1位 友野くん (265.69点)  1.50↑

2位 コリヤダ (262.79点)  2.19↓

3位 モリス   (259.36点)  6.97↓

うん、まぁ完全に私見だよね(笑)

友野くんのアップ分はGOEやPCSの細かい修正分の積み重ね。

コリヤダのダウンはSPのPCSとFSの4Tの減点の修正と3Lz3連のqの分。

モリスのダウンの大半は4TのGOEの修正分(+FSでのPCS)。

友野くんとコリヤダの位置が入れ替わるのはあるかもしれない。でもモリスが1位じゃないのは確かだというのが私の結論ですねぇ。

 

 

 

他の選手については超ざっくりした感想を。

 

ロシア男子2名は前日の大遭難から立て直してきましたね。コンドラチュクは最初の4Tが2Tになった以外はよくまとめたし、セメネンコはジャンプ戻ってきた!と思ったら後半バテてしまった……ファイナルちょっと意識したかな?

刑事くんはSPもFSもやたらと難しい選曲だと思うのですが、StSqやChSqで存分に魅せてくれました。でも4S抜けはともかく1Aはいかん1Aは……

リッツォはミスは冒頭の4Tが3Tになっただけ。あとは素晴らしい演技でFSだけなら2位✨4T決まれば180点が見えてくるから、次のユーロでいい演技出来ますように!(ユーロ無事開催されますように!)

ミハルは冒頭の得点源2本の転倒と3連コンボが入らなかったのが痛かった……でもSPでは4Sも3Aも綺麗なのが決まっていたし、ユーロとオリンピックでの完成形を待ってます(取りあえずTRに7.25とか付けた8番イタリアは〆ていいかな?)。

カムデンも最初の4T以外は本当に素晴らしかった、スピンはもうちょっと加点くれてもいいと思うよ?コレオで勢い余ってつんのめったのはご愛敬(笑)、あとは全米に向けて頑張れ!(そしてTRに6.75付けた8番はやっぱり〆てもいいですかね?)

ロマンくんは本当に美しい演技だった……4Sも3A-2Tのミスも演技の流れを損なうものではなく素晴らしいプログラムを堪能出来ました。ChSqからの最後のスピンは至福✨カナダの2枠目がどうなるかは分からないけれど、全加で悔いのない演技が出来るよう祈っています。

 

 

以上、大変駆け足でざっくりなロステレコム杯男子FS振り返りでした。

 

GPFの中止は大変残念ですが(選手の皆さんにとっても私達にとっても)、水際で変異株の流入を出来る限り減らして第6波の到来を可能な限り遅らせる為にはやむを得ないのかなと思います。流行を先送り出来ればそれだけ変異株の解析が進み、それによって有効な対策が取れれば第5波のような惨状は避けられる筈ですから。

主催側はバブル形式ならと思っていたようですが、そもそもろくな隔離期間を置かないバブル形式は内側の人間にとって危険な訳で。大会初日まで2週間を切っていた時点で外にも中にも安全な開催は不可能だったと思います。これはもう運がなかったとしか、ねぇ。

ISUはオリンピック後に延期案を出していますが、ただでさえオリンピックシーズンは世界選手権を欠場する選手も多いというのに更にその後にGPFもって結構無理があるような?元々4月は大会がない予定だったのでオリンピック後のアイスショーなども入っているでしょうし(確か羽生くんのCwWも4月中旬だった記憶が)、出場権利を有している選手の内果たして何人がその時期の開催に賛同するのかちょっと疑問……というか今から日本では会場押さえられないんじゃないかな💦

 

日本国内の感染状況が落ち着いていれば全日本の有観客での開催はおそらく大丈夫だと思いますが、やはり今後の動向次第ですかね。

問題は海外拠点の選手(りくりゅう、アイスダンス3組、紀平さん、高志郎くん)の帰国問題ですね。なでしこジャパンのケースを見ても14日間の隔離は必須のようですから(そもそも全日本の参加条件に開催から14日前以内に海外渡航歴がないというのがあるので、そこまでには帰国が必要ですが)、出来る限り早く帰国するのが必須ですね。何とか個別に練習する機会が貰えるといいのですが……

 

取りあえずGPSの毎週更新を何とかクリアしたので(笑)、未だ読んでいない羽生くんの本2冊読んでマッシさんの講演会動画見たいと思います(あまりにこの6週間羽生成分が少なすぎました…)

余力があれば全日本に向けての資料づくりを出来ればと(仕事で疲れてなければw)