仮釈放の意義を知る。 | 刑務所体験記&更生道

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刑務所を出所して半年、刑務所内の現実、出所後の苦難と更生の道を辿るドキュメントブログです。

 

 

 

 

 

仮釈放、被害者方々から言わせれば満期まで出所させるなというのが本音だろう。

 

おっしゃる通りで言葉もない。

 

ただ制度として仮釈放があることは事実。

 

仮釈放とは、刑期が消滅するわけではない。

 

あくまでも刑期の一部を社会において過ごさせるといったこと。

 

仮釈放にはいくつかの意味がある。

 

まずは刑務所内の秩序を安定させる。

 

皆が満期だと知っていれば、懲罰など恐れることもなくなり喧嘩、違反行為が横行し、刑務所内の秩序を守ることは難しくなる。

 

特に日本の刑務所は、刑務官が丸腰、拳銃も武器も持っているわけではない。

 

笛に拡声器で号令をかけ、受刑者を動かすといった世界的にはあまり見られない光景。

 

これらを可能にしているのも仮釈放が一部要因としてある。

 

次にこれが一番重要だが、満期出所した場合と仮釈放出所した場合では再犯率に大きな違いがある。

 

これは数字でも明らかで、満期出所の場合は再犯率が高くなる。

 

なぜか?

 

これは人間心理だが、満期出所だと受刑中からすでに諦めの気持ち、ヤケ気味になるといった傾向が強い。

 

どうせ俺はといった気持ちになる。

 

もちろん、満期出所者に身元引受人がいないケースもあり、そういった者が突然社会に放り出され、明日から自由だと言われても住む場所も仕事もなければ再犯に手を染めやすくなる。

 

仮釈放のケースでは、仮釈放期間中は遵守事項もあり、保護司、身元引受人方々のサポートを受けながらの生活、違反行為をすれば刑務所に逆戻りといったこともあり、気持ちが引き締まり、感謝の気持ちもうまれる。

 

また、受刑中は感じないが、数年間ムショにいれば必ずムショボケしていると娑婆で気付く。

 

このムショボケを解消する期間としても仮釈放は大切な時間となる。

 

私自身、ムショボケは想像する以上のものがあった。

 

心と体が娑婆についていけなかったことを覚えてる。

 

時にムショに戻りたいとさえ思った。

 

仮釈放期間を無事に終える頃には、少しだけ娑婆の生活に慣れ、心が落ち着く。

 

私自身の経験では、ムショボケ解消まで半年程度かかった。

 

ちなみに仮釈放終了日になにか特別な通知や出頭要請があるかと言えば、答えは何もない。

 

ただ一人静かに仮釈放期間満了の日を迎えるのみ。

 

要するに仮釈放の一番の意義は、再犯をさせないことにある。

 

次なる被害者をうまないことにある。

 

仮釈放中は、心から反省し、社会において更生する重要な期間。

 

また社会と繋がりをしっかり持つことも重要。

 

ムショボケとは、大きな意味で社会と繋がれないことを言う。

 

社会と繋がるとは、人と繋がる、正しい環境と繋がる、仕事と繋がる、感謝の気持ち、優しさをもつこと。

 

また誰と繋がるかも重要、また悪の道の者と繋がっては意味がない。

 

仮釈放、本当に大切な時間、皆さんが待つ方が仮釈放をいただけたのであれば、大切に過ごされてください☆

 

この期間をどう過ごすかで未来は大きく変わります☆

 

では本日もムショボケが続く大バカ者の私のために広告クリックお願いいたします。笑。