仮釈放に捉われるな。 | 刑務所体験記&更生道

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刑務所を出所して半年、刑務所内の現実、出所後の苦難と更生の道を辿るドキュメントブログです。

 

 

 

 

 

仮釈放、昨日の記事にも書いたが現在は仮釈放率が低下している。

 

以前は4年の刑期で1年の仮釈放は現実的だったが、今は民間刑務所でも厳しい。

 

仮釈放をもらう上で一番重要な要素は何か。

 

私自身、受刑中多くの仮釈放者を見てきた。

 

その中で一番感じた事は、仮釈放において罪名が大きく影響するということ。

 

これは間違いない。

 

例えば同じ刑期で懲罰無し、態度も極めて真面目に勤めた者同士でも罪名によって仮釈放期間に大きな差があった。

 

やはり仮釈放を多くもらえるのは薬物事案の受刑者(営利は除く)

 

次に窃盗、傷害といったところ。

 

また同じ罪名であっても被害弁済の有無、被害者感情の有無も仮釈放に大きな影響を与える。

 

逆に仮釈放期間の短い罪名は、性犯罪、強盗。

 

殺人に至っては当然短い。

 

性犯罪者は、かなり仮釈放が短く狭き門となっている。

 

私の知っている受刑者で、刑期6年、懲罰無し、極めて真面目に勤めたもので満期になった者もいた。

 

これには本当に驚いたが、現実として性犯罪者の仮釈放は厳しい。

 

性犯罪者においては、仮釈放で出所しても仮釈放期間中はプログラムを受けなければならないといった特別なルールもあった。

 

薬物事案は刑期3年でも8ヶ月仮釈放をもらう者もいたりした。

 

薬物使用であれば、基本的に被害者がいないといったことも影響していると思われる。

 

私自身、受刑中は仮釈放を毎日のように夢見た。

 

ただ、今言えることは、仮釈放が全てではない。

 

仮釈放を多くもらえたから偉いわけでも更生が約束されるわけでもない。

 

もちろん、多くもらうに越したことはないのは重々承知。

 

仮釈放期間の違いと言っても半年程度のこと、出所後の娑婆での生活は数十年と続く。

 

その半年程度の事に捉われてはいけない。

 

大切なことは、仮釈放でも満期出所でも出所後にどう生きるかが大切。

 

出所後の厳しい現実に立ち向かい、しっかり反省し、地に足をつけて生きていくこができるかどうかにかかってる。

 

大切なことは、仮釈放でなく、出所後の生き方。

 

私自身、仮釈放をいただき出所させてもらった者、仮釈放に浮かれることはなかったが、これほどまでに現実は厳しいかと出所後すぐに感じた。

 

今も受刑中の方々、待ち人の方々の気持ちを察すれば、仮釈放が希望であることは十分理解でるし痛いほど分かる。

 

ただ本当に大切なことは、その先の未来。

 

そこに目を向けてもらえたらと心から思う。