あっという間に8月、7月はコロナ等の影響で仕事に忙殺された。
この時期は、毎年暑かった刑務所を思い出す。
私がいた頃は、過剰収容の時代で6名定員の共同室に9名が入ったり、挙句の果てには単独室に2名収容なんてこともあった。
3畳一間の単独室に2名収容は本当に精神的にきつかった記憶がある。
寝返り打てば真横にオッサンの顔があるなんて拷問でしょ。笑。
ただ今はそのようなこともないと聞き及んでる。
夏の刑務所は当たり前だが暑い。
冷房など文明の利器はなく、貸与されたうちわのみで暑さをしのぐといった原始的な生活を送る。
入浴回数は冬場に比べ増えるが、それでも入浴後に居室に戻ると汗がしたたり落ちる。
土日祝日は入浴さえ出来ず、5分程度身体を濡れたタオルで拭くことだけが許された。
私が出所前の夏は熱帯夜が続き、寝汗で何度も目が覚めた。
とにかく暑さで体力が奪われ、皆が疲れ切ってた。
またそうなるとイライラが増し、夏場は喧嘩やイザコザが多発する。
共同室から聞こえる受刑者同士の怒鳴り声、駆け付ける警備隊たちの怒号、非常ベルの音、今も鮮明に覚えてる。
今年の夏も猛暑日が続くと聞く。
受刑中方々の身を思えば言葉もない。
自業自得だとは言え、元受刑者の私からすれば今日もお勤めご苦労様ですといった心境になる。
暑さの中出した手紙、滴る汗で滲んだ文字、冷えたお茶一杯飲むだけで幸せを感じた休憩時間、熱風しか生み出さないうちわ、懲罰覚悟で居室で濡れタオルで必死に拭いた身体、居室から見える入道雲が恨めしかったこと、夕立が少しの涼を与えてくれたこと、今思えば本来人間が感じるべきことを感じさせてもらったのかもしれない。
今年も受刑者達にとって苦しく長い夏がやってきた。
皆様方に少しでも涼と心の安定を願ってやまない。
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