いま、私にできることは何か考えました。
考えるまでもなく、「言葉」しかありません。
いえ、「言葉」があります。
「〜しか」と「〜が」の使い方だけで、これだけニュアンスが違ってきます。
言葉は、心を表すものだからです。
言葉との出会いが、人生を変えることがあります。
言葉によって、思考が変わることもあります。
そして、言葉への扉を開いていると、
必要なときに、必要な言葉と出会います。
誰かの一言で救われることがあったり、
歌の言葉に支えられることがありますよね。
これから、いま、私たちを支えてくれるであろう言葉を、少しずつ紹介していきます。
美しい言葉を人生に取り入れて、
「いま、このとき」を健やかに過ごしていけるように。
今日の言葉は「怺える」(こらえる)
言葉には心が宿っている。
私たちが母語としている日本語を創ったいにしえの人たちは、
「心」を言葉に託し、
「五感」を言葉に表し、
「感動」を美しい表現で表しました。
中国から伝わった漢字とは別に、新しい漢字を創りました。
それを国字、また和字と言います。
漢字では表せない「心」を託す新しい「漢字、国字」を創ったのです。
「怺える」こらえる
りっしんべんに永、耐える、我慢する、堪えるの意です。
でも、同じ「我慢する」でも、「堪える」とは意味合いが違います。
「りっしんべん」は心の働きについて表す漢字に用いられます。
「怺える」とは、大きな困難、辛さを我慢しなければならないけれど、
許し難いことを許して我慢しようという、ポジティブな心を表す「国字」です。
ただ困難に押しつぶされるのではなく、
困難を受け止めて、今は我慢をしていこう、という「心」です。
美しいです。
いま、この状況を堪えるのではなく、怺える。
怺えると捉えることで、この日常に思いやりが宿るようです。
今日も健やかに。