イスラエルに行くというと、
「大丈夫なの? 危なくないの?」と
何人もの人に心配されました。
一年前から決めてきた旅。
その土地を「歩く」「知る」「自分の目で見る」
そこで何を「感じる」か。
それはわかりません。
今も、まだまとまっていない。
まとめる必要もないと思っています。
中学一年の時にたまたま父の書斎で見つけた『誰も書かなかったアラブ』という本。
当時、『3時のあなた』というワイドショーで司会をしていた山口淑子さんが書いた本です。
この本を読み、イスラエルの建国と、
それによってパレスチナ難民が生まれ、紛争が続いていることを知りました。
何だかとても理不尽な感じがして、パレスチナ問題について調べ、作文も書きました。
先生の評価がどうだったか忘れてしまったけれど。
テルアビブという名前を聞くと、どうしても思い出してしまう事件がある。
ゴラン高原という名前を聞くと、当時「兵士」たちの訓練の場だったことを思い出してしまう。
世界は多くの矛盾をはらんでいるのは、
40年以上経っても変わらない。
もしかしたら何千年も変わらない。
2000年前に国を失ったユダヤ人は、1948年にイスラエルを建国します。
荒れ野に水を引き、点滴するように木々に水を与え、植林をし、
食料自給率は100パーセント近い。
牛のお乳は、世界一の生産量だそう。
すべてオーガニックです。
元々、水がありません。
乏しい水資源を再利用し、海水を高度な技術で濾過し、
今や水の豊かな国なのです。
24時間、臨戦態勢の国ですが、
実に平和で穏やかな国でした。
だから、知ろうとしないと、知ることはできない。
自分の目で見て、やっとわかったことがたくさんある。
お野菜も果物も豊富、そしてものすごーくおいしい。
チーズも、おいしい。
そして、ワインは最高です。
でも、死海に泊まった時には、ジェット戦闘機が頻繁に飛び、
飛行機が音速を超えた時の衝撃波、ソニックブームのドンッ!という爆音も聞きました。
国を守る、平和を守るためには、
そのような警戒が必要なのでしょう。
攻めるのではなく、守るために。
世界の矛盾は解決されませんが、
今日も、そして明日も何事もなく人々が日常を営めることが、
何よりも大切なことなのだと思います。
知る。
自分の目で見る。
改めて、意識。