「あなたの言葉は、聞く価値がある」
映画「カーライル ニューヨークが恋したホテル」の中で、
心打たれたこの言葉。
多くのセレブリティたちが愛し、
多くの人の憧れを集めているニューヨークのカーライル・ホテル。
これは、顧客たち、従業員たちがそれぞれのカーライルでの物語を語った映画です。
中でも、ドワイトさんの話はよかった。
コンシェルジュのドワイトさんは吃音を持っていました。
それでもコンシェルジュという、お客様のリクエストに応えるもっとも重要な部署に採用されました。
ドワイトさんを雇ったホテル側の理由は、
「人は、彼の話をよく聞くから」というもの。
耳を傾けて、聞こうとするということです。
それがどれだけ大切なことか。
そこにポイントを置いたホテルの判断の高さに驚きます。
人気者のドワイトさんでも、吃音のことで傷ついたことがあり、
母親に弱音を吐いたことがあったそうです。
そのとき、母親が言ったのが、この言葉でした。
「あなたの言葉は、聞く価値がある」
この言葉は、そのまま私自身に問いかけます。
「あなたの言葉は、聞く価値がある？」
いま、自分が発している言葉、
これから発しようとしている言葉。
それに、価値があるのかどうか。
「価値」というと身構えてしまいそうですが、
そこに心がこもっているのか、
利他的であるか、
相手と自分を結ぶ水路になっているか、
創造的であるか・・・・・
いろいろな要素があります。
言葉ひとつで「もう一度、頑張ろう」と立ち上がることもできれば、
言葉ひとつで、絶望してしまうこともある。
言葉とは、その人を表すものであり、
発した言葉は、自分に返ってくる。
心のこもった言葉を発するということは、
意味と共にその心を伝えているということ。
そのことを、もっともっと大切にしていきたいと思うのです。
先日、久しぶりに会った友人から言われたことがありました。
「10年前に由美さんが言ってくれた言葉を、今も大切にしてる」
友人にこう言われて、私はうれしいというよりも、はっとしたのです。
・・・その逆もある・・・
背筋が伸びました。
心のこもった言葉を。
ぬくもりのある言葉を。
「あなたの言葉は、聞く価値がある」
そうありたいと思います。
「カーライル ニューヨークが恋したホテル」洒落た映画です。
ドワイトさんの写真はBUNKAMURAのサイトからお借りしました。
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