1964年、東京オリンピックのポスター。

戦後19年、復興を遂げ、経済大国へと成長していた日本。

この東京オリンピックには、大きな意味がありました。

経済復興をアピールするだけではなく、Attractiveness(魅力)の強いアピールが必要だったと、

クリエイティブディレクターの杉山幸太郎氏は著書『アイデアの発見』(インプレス)の中で述べています。

 

 

このポスター、デザインのメッセージ性の高さに感動します。

 

そして、オリンピックのエンブレムはデザインのプロジェクトのトータルプロデューサーであった勝見勝氏が提唱し、始ったそうです。

 

日の丸、その赤。

ゴールドの五輪マーク。

 

言葉にしなくても、伝えたいことが伝わってくる。

 

杉山恒太郎氏は、

「堂々として静謐。

無駄を削ぎ落とした息をのむほど美しいエンブレム」

と表現しています。

 

そして陸上、水泳のデザインのポスターにも、

静かな気迫を感じます。

それは、当時の日本人の気迫だったのではないでしょうか。

 

当時のオリンピック委員会、そしてデザイナーたちが、日本の魅力をどう伝えるかということに力を注いでいたこと。デザインの本質を深く求めた結果が、このポスターになったのだと思います。

 

志の高さがありますね。

国を思う気持ちを感じるのです。

 

 

国を思う美しい気持ち。

その気持ちは、訪れる多くの国の人々へのギフトになると思います。

なぜなら、国を大切に思えば、他の国のことも大切にできるから。

 

自分を大切にすることが、人を大切にすることと同じだからです。

 

2020年も、そうありますように。