東北大学大学院医学系研究科・音楽音響医学分野 教授の
市江雅芳先生から「こころとからだの平和バトン」を受け
取りました。これは、これは、広島市西区太光寺の副住職
東和空さんの発案で、天城流湯治法 杉本錬堂さんから始
まったものだそうです。私は三日間、「『Jupiter
』が教えてくれたこと」をテーマにお話していこうと思い
ます。
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 昨日、最愛の娘が夏休みで留学先のアメリカから帰って
きました。もう二年経つのでだいぶ慣れましたが、それで
も見送る時は今でも自分の体の一部をもがれるような感じ
がします。全身全霊で守ってやりたくても守ってやれない
遠い国に行ってしまう。親元を離れて自分の人生を創造し
ているのですから、本当にやる気満々の魂なんだなあと思
います。
 2008年、私はインドのガンジス河で日の出を眺めな
がら『Jupiter』を聴きました。「ガンジスで『J
upiter』を聴かなくてはいけない」というインスピレーション
に衝き動かされて、インドツアーに参加しました。全然行
きたい国ではなかったインド……。なぜガンジス河で『J
upiter』を聴かなくてはならなかったのか…おそら
く、生きることと死ぬことは同じこと……魂のサイクルを
感じる…見る…確認するためにその場所に行くことが必要
だったのかもしれません。

「意味のないことは起こらない」
「起こったことには意味がある」

 与えられた人生という時の河のどこかで、いろいろな出
来事に遭遇します。その多くが想定外、私はそんなとき(
こういうシナリオになっていたのか)と思うようになりま
した。そう思うことで、冷静になれる。でも、そう思うこ
とで冷静になれるうちは、まだ想像を絶する出来事に遭遇
していないということなのかもしれません。そんな出来事
に遭遇せずにいけるものなら…と思います。
 母が突然悪性リンパ腫になったとき、どうしてこういう
流れになるのだろうと思いました。あまりにもいろいろな
ことが思った時期だったので、「これでもか」と起こる出
来事の最終決戦となりそうな……。その意味を考えたとき
、もう答えはわかっていました。ばらばらになりかけた家
族をひとつにする。そのための母の大病なのだと。それを
単に運悪く病気になってしまったと捉えたらそれだけです
。でも、そこに意味を見いだすことで、取り組み方がまっ
たく違ってくる。創造的に向き合うことができるのです。
ここが、「生きる力」を試されるところではないかなあと
思います。
 時計のラドーのwebサイトで、年齢を時刻に見立てて
割り出す「人生時計」というキャンペーンがありました。
そのときの私の時刻は4時20分。もうすぐ黄昏です。日
があるうちにできること。できたら夏の4時20分であっ
てほしいと思うのですが、明るいうちにできることを、日
々、日々、日々創造的に積み重ねていこうと思います。

この「こころとからだの平和バトン」のように、母からも
らった命を娘につなげました。娘にも、その命をいつかつ
なげていってほしいなあと思います。生きている喜びを全
身で感じながら、どんなことがあっても望むように生きて
いい。
『Jupiter』が教えてくれたことでした。

市江雅芳先生から受け取ったバトンを、美しい魂の友ふた
り、上田佳穂さんとアーユス直子さんに託します。
三回にわたり、長文をお読みくださり、ありがとうござい
ました