「もう少しで終るんやけど。」
「ウン。手伝うよ。」
「アカン。待っててくれる?そや、何か出そうか?」
「ウウン。家に早く連れて帰りたいから。」
ワタシの顔が、ドンドン赤くなる。向こうの方で、皆がしらじらしくこちらをうかがってるのがわかるからだ。
昂大がワタシの持ってたホウキを取り上げて、カウンターの中を掃除し始める。ワタシは早く終わらせようと、カウンター拭き始めた。
掃除は、当たり前だが早く終わった。
「ありがとう。メッチャ早く終わった。着替えてくるし。」
「ウン。」
ワタシは急いで着替えて、またしらじらしく皆がロビーにいる中を、お疲れ様ですと言いながら、昂大と出口に向かう。
ドアに手が届くと思ったその時、マスターがヒョイと現れて、ニヤニヤしながら昂大に近づいた。
「昂大。千尋ちゃんにムリさせたら、許さない。もし、千尋ちゃんに何かあったら、あらゆる手を使って、全力で別れさせてやるからな。」
ヒィー…。コェェ…。
「わかってる。何よりも大事にする。」
聞き耳をたてていたスタッフ達が、向こうの方で、ハイタッチするほど騒いでいた。
顔はさっきからずっと赤くなったままで、元に戻る隙もない。
思うんやけど、最初からずっと、ワタシよりまわりのほうが盛り上がってる気がする。
ドラマちゃうねんで…。ハゥ……。