注文したほとんどを昂大がたいらげて、空の器がテーブルの上に残った。
豪快にたいらげる昂大と、空になっていく器を見るのは、なんとも気持ちよかった。
「ここの美味しいでしょ。」
「ホント、美味しいね。」
「出前なのに。」
「出前なのにね。」
「昂大のお腹。」
「ふくれたよ。」
パンパンなのが服の上からでもわかる。
「見事になくなった。お皿じゃないから、捨てればいいねん。」
「後片付けが楽だよね。」
「そやねんよ。」
後片付けをすませて、お風呂をわかす。
「なんかね、久しぶりにユックリ過ごした休みやったような気がする。」
「僕も。」
「昂大は、今日泊まるの?」
「ウン。ここから出勤する。」
「そか。」
「引っ越し、決まったら知らせるね。」
「ウン。」
「早くてもいい?」
「かまへんよ。」
「押しかけすぎかな?」
ワタシは笑ってしまった。
「押し掛けてないよ。今までも、皆、そうやったから。」
「ごめんね。」
「なんで?」
「強引過ぎるかと。」
「そんなことないよ。」
「ちゃんと家賃とか払うからね。」
「んー。家賃はないねん。」
「エッ?」
「ワタシの家やから。」
「買ったの?」
「気に入ったから。」
「でもローン…。」
「ウン。ローンもない。」
「スゲェ…。じゃ、電気代とか食費とか。」
「そんなのいらんよ。」
「そんなのダメだよ。生活費を彼女に依存なんて、両親が許さないだろうし、僕も男として、許せないから。」
「そう?」
「そうだよ。」
「ウーン。」
「生活費は、僕が持つから。」
「半分こにしよう。」
「嫌だ。」
「エー…。」
「千尋ちゃんの方が稼いでるのはわかってるけど、どーしても譲れない。」
「困ったな。」
「引っ越したら、僕が払うからね。」