主役は誰なのか

 


私が障がい福祉施設の運営支援を行うにあたって心がけている主な柱は次のとおりとなります。

 

  • 行政申請、諸届け関係等書類作成
  • 給付金請求、運営サポート(経営上の後方支援)
  • 社員のスキルアップ、育成、メンタルヘルスサポート、研修
  • 社内の実地、巡回指導

 

今の時代、行政書士が企業支援に携わるに当たっては、単に書類を作成して官公庁に提出したり、このことに付随する相談業務に従事するだけではなく、いわばコンサル的な視点をもった支援が絶対に必要だと思っています。

 

 

売上を上げることは、企業が生き残り、発展していくための必要条件であることは言うまでおありません。

 

単に「売上を上げる」ということのみに固執したとしても、ある程度は伸びると思います。

 

しかし、長期的なスパンで見てみると、決して長続きはしないんだろうな、と思います。

 

企業が成長していくためには、従業員が活き活きと仕事ができる環境を構築することがとても大切です。

 

しかし、上記朱書きのフレーズは、とても奥が深いものでして、

このことについて今日は私の気付きを残しておきたいと思います✨

 

 



障害児支援に携わる企業支援を例に考えてみます。

私が公務員時代にも散見されていた事例です。

 

 

 

障害児通所施設(療育事業所)は、運営資金の大半を行政からの給付費により賄っています。

 

行政からの給付費を的確に、もれなく得るためには、制度をきちんと理解し、制度に則った支援を提供し、その上で、行政機関に届出・請求を行う必要があります。

 

次に、従業員の育成と定着も必須です。

処遇改善加算を適切に活用することにより、従業員の賃金アップが図れるようになりました。

 

処遇改善加算の目的は、従業員の賃金アップはもちろん、定着を図ることもあります。

 

また、処遇改善加算を得るための条件として、従業員の資質向上のための研修の実施が義務付けられています。

 

これが、国の制度上の大まかな取り決めではありますが、

 

実は、

 

企業支援に従事するに当たり、もっともっと基本的な何かが欠落しているケースが多く見受けられます。

 

それは、

 

    

主役は誰なのか??

 

という視点です。

 

療育事業所の本分は、

 

学校や家庭の後方支援にとどまらず、

 

発達障がいをはじめ、障がいのあるこどもを対象に、日常生活を送るための活動や社会性の習得を目指して支援すること

 

です。

 

そう。

 

主役は子ども

 

なんです。

 

社長でもない。

従業員でもない。

保護者でもない。

教員でもない。

保育士でもない。

 

主役は子ども

 

なんです。

 

このことが欠落している事案がいかい多いことか・・・。

 

給付金の不正請求は、実は個人的にはまだまだ序の口だと思います。

これは、ルールに則り、罰することなどにもよって改善の糸口は意外と簡単にみつけることができます。

 

しかし、

 

一番難しいのは、

 

大人のエゴ

 

だと思います。

 

どういうことかといいますと、

 

例えば、職場の人間関係の悪化。

 

 

従業員A) 先生、B先生がいると、職場の雰囲気が悪くなります。

 

管理者)  そうですか。では、B先生と話してみますね。

 

管理者)  B先生が一生懸命されているのは分かります。でも、もう少し、皆さんに優しく接してもらうことはできませんか。

 

従業員B) 私も、最初は優しく丁寧に指導しているつもりでした。でも、なかなか分かってくれないし、ついつい口調が強くなります。私は、これまでたくさんの経験をしてきました。もっとこうしたい、という思いもあるし。でも、それができないことが歯がゆくて仕方がありません。

 

管理者)  先生の気持ちは分かります。先生は力もありますし。でも、私が見ていても、ちょっとギスギスした雰囲気が出ている気がします。

 

従業員B) では、私が邪魔ならば私が辞めれば済む話ですか?

 

管理者)  いや、そういうことではなくて。先生の気持ちをみんなに上手く伝えるようにしてみますね。

 

管理者)  皆さん、Bさんは決して皆さんのことを咎めるような気持ちではなく、少しでも皆さんの支援力を上げたい、という一心で振る舞われているようです。

 

従業員A) では、それが分からない分からない私達がいなくなればいいということですか?

 

 

上記のやりとりの中で、子どものことが全く出てきてませんね😅

 

B先生も、A先生も、考えようによっては、管理者も、自分の保身ばかりに走ってしまい、自分たちが何のために事業所で働いているのか、ということが置き去りになってしまっています。

 

正直、子どもたちの支援をするに当たって、大人のエゴは邪魔でしかない。

療育施設で働く以上は子どもの支援のプロであるため、思惑はあるかもしれないけれども、それを押し殺して子どものために粉骨砕身しなければならない。

 

そのために、従業員が一致団結して取り組んでいく必要がある。

 

 

というのが、理想ではあります。

 

 

しかし、なかなかそうはいかない。

大人だって人間です❗️

 

エゴがあって当然です。

自分を守らなければ仕事はできないし、命は守れないし。家族を守ることもできないかもしれない。

 

このエゴは、できる限り取り除くべきではありますが、上記のような大人のエゴとエゴのぶつかり合いに発展してしまうと、解決するのって、簡単なようでものすごく難しいものです。

まず、当事者にこの観点がないことがほとんどだと思いますので😅

 


今、一番必要な事業所支援は、大人のエゴにいかに気付かせ、可能ならば解消し、風通しのよい職場づくりをしていくのかということだと思います。


その先にやっと、子どものための支援という本分に行き着くような気がしてます。

 

 


そういった意味でのコンサル的な支援が、私は今一番必要なのではないか、と思います。重要なのは、従業員のメンタルヘルスケア。

 

子どもの一番のエゴの原因は、親であり、大人でもあったりします。

 

私は企業支援に携わらせていただくに当たって、今学んでいるコーチング要素を十二分に活かしながら、社員のスキルアップ、育成、メンタルヘルス支援に活かすことができるようになりたい、と思っています。

 

 

主役は誰なのか??


を肝に命じつつ・・・。

 


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