7月5日(日)、曇りから雨の休日。今朝は3時半に目が覚めた。トイレに行き、ゴロゴロしていたが眠れず、5時に起きた。洗濯機を回しながら朝食を食べた。このあと映画を観に行く予定でいたが、土砂降りの雨が降り出した。自転車で行くつもりだったが、電車に変更しようかと思った。ところが、しばらくしたら止んだ。洗濯物を干して、「これなら行けるか?」と自転車で出かけた。観た映画は舘ひろし主演の「免許返納!?」。32年前、1994(平成6)年に公開された「免許がない!」の続編(?)なのかどうか、わからないが、直感的に観てみたいと思い、鑑賞を決めた。「免許がない!」は当時、私自身が自動車学校に通っていたため、観ていて妙に感情移入した記憶がある。同作の劇中、自動車学校へ通う舘ひろしが教官に懇願して言う台詞、「ハンコおしてくれよ!」が印象に残っている。
さて、映画館の入ったモールへ到着して、開館までフロアで待った。いつものことだが鑑賞するにあたり、空いている環境が好きなので、観るのを朝イチの回にしたのだ。フロアには、トイ・ストーリーも上映するためか、子供連れも割といた。やがて開館し、入場。入口でポスター撮影。

こちらを改めて見たら、ちょうど桜桃忌が公開日だった。だから何ということではないけども。
客の入りは、朝イチなのになかなか混んでいる印象だった。それもそのはず、観客はシニアやその周辺の年齢と思われる人たちが多かったのだ。そりゃあそうだ。舘ひろしの主演映画を観ようという層のボリュームゾーンは舘ひろしの世代近辺のはずだろうからだ。明らかに私より上の世代の人たちが多かった。高齢であれば、私と同じかそれ以上に朝は早いだろう。アニメ映画を観るのとは客層が違う。むしろ朝の回に来る方が自然だ。ちなみにネットで調べたら主演の舘ひろしは1950年3月31日生まれ。早生まれなので一級上だが、母と同い年だ。すでに後期高齢者の仲間入りをしている。とても見えないが、今年76歳だ。「ゴールデンカムイ」で土方歳三を演じていたが、役と同じく若々しい。まぁ、シニア層の方々は、静かに鑑賞して下さるので、混んでいても心配ない。
ともかく、久しぶりに映画を観た。直近に観た作品が昨年9月の「ベストキッド・レジェンズ」だから9カ月ぶりの映画だ。
同作で舘ひろしは、「免許がない!」と同じ役名、南条弘で登場。職業も同じく俳優と言う設定。続編とは言わないまでも、後日談的な(アンサーソング的な?)位置づけなのか、と一応結論づけた。とは言え、ストーリーは完全に独立したものとなっている。だから前作(?)未見でも全く問題なく楽しめる。劇中、ハズキルーペが小道具で出てきたり、どこか「西部警察」の渡哲也(ショットガンと言えば大門!)を思わせる映像表現があったりと、思わずニヤリとしてしまう演出が多々あった。舘ひろしと言えば、私の中では「西部警察」の鳩村刑事で初めて見たという認識だ。「クールス」というバンド活動もあったが、当時は子供過ぎてわかっていなかった(岩城滉一や横山剣も在籍していて今思えば凄いメンバーだ)。でも、「西部警察」の、九州かどこかを舞台にした、時限爆弾解除のエピソードで、群衆の注意を引くためだったと思うが舘ひろしがバンドをバックに歌うシーンがあったと記憶している。本当におぼろげな記憶で自信はないけれど。俳優舘ひろしはその後も、「あぶない刑事」や「刑事貴族」など、刑事役のイメージがあるが、特に「あぶない刑事」でコミカルな一面を開拓したと感じている。時代は前後して、バラエティでも「とんねるずのみなさんのおかげです」などにも出演して、かっこよくて面白い「二枚目半」のキャラクターが定着したように思う。ドラマでも西田ひかると共演した「上を向いて歩こう!」では元プロ野球選手のキャスター役を務めるなど、演技にも幅の広さを感じさせられた覚えがある。
今作でも、舘ひろし演じる南条弘は、アクション俳優を経て、劇中では古希を迎え(実年齢よりも6歳若いが)、芸術性の高い作品に出演する演技派俳優となっている。だが、本人は、まだアクション映画への出演を望んでいる。自ら愛車のフェラーリを駆り、「俺のための車」と、古き良き男の美学を貫いている。そんな中、宇崎竜童演じる同時代のライバル俳優、尾崎誠への対抗意識からの発言で、世間から「免許返納」の期待を一身に集めてしまう。本人にはその気は全くないのに、だ。何の気なしに口にした言葉が「切り取られ」、「拡散され」、「本人が言ったこと」になってしまうプロセスが丁寧に描かれている。そこへ、ライバル俳優の尾崎誠にハリウッドからオファーが来ているというネットニュースを知る南条。キャリアで追い抜かれることに焦ったのも束の間、尾崎はバイク事故で瀕死の重傷を負う。そして、そこから物語が動き出す。3度の結婚・離婚を繰り返した尾崎が残した息子の不遇と、南条の、妻との約束。これらが絡み合って繰り広げられるドラマがとても素敵な映画だった。尾崎への、ライバル意識や友情だけでは割り切れない複雑な心情、亡き妻への思いを秘めた主人公を舘ひろしが見事に演じていた。笑えて、泣けて、どこか懐かしくて、そんな良い映画を観られて大いに満足だった。また、準主役、脇役含め、キャスティングも良かった。南条が所属する事務所の社長を吉田鋼太郎が演じ、南条のマネージャーを西野七瀬(あまり知らなかったが、役にハマっていて良かった)が全力で演じて舘ひろしとのやり取りを面白く盛り上げていた。また、先々で南条が出会う人物たちも、「ええ!」というなかなか豪華なメンバーだった。恵まれない境遇にあった尾崎の息子の苦悩・問題は割とあっさりと解決しそうな展開ではあったが、作中の、ある人物が言うとおり、「だって、映画でしょ。」と思える。ご都合主義的、と言う向きもあるかもしれない。だが、現実には、目を背け・耳を塞ぎたくなるようなことが多い今の時代、映画の中でくらい、人は救われて然るべきだと考えている。
本作には、全編を通じて、優しい雰囲気が伏流していた。そして免許返納は、どちらかというと副次的なテーマ、というか物語を起動させる装置だったのかもしれない。描かれていたのは、同じ時代を生きた(生きる)人間同士のシンパシーや友愛だったのではないか、と思っている。また、年齢に関係なく、人生は「まだこれから!」という未来志向もメッセージとして、あったように感じられた。エンディング曲はTHE ALFEE。鑑賞後は、とても穏やかな気持ちになれた映画だった。