今回の旅行では是非とも立ち寄りたい所がありました。それは今から15年ほど前に妻と行った京都「美山かやぶきの里」。宮津や舞鶴などの旅行に行き、幾度となく立ち寄る機会はあったのですが、深い山に囲まれた山里のために、車で訪問するにも時間がかかりつい行きそびれていました。しかし山も川も緑深の美しいこの季節に妻と「こまこ」と一緒に日本の原風景を楽しんできました。

 

 お昼前に舞鶴の「とれとれ海鮮市場」を出発して、ナビを頼りに「舞鶴若狭自動車道路」に乗りしばらくすると福井県との案内があり高浜原発も見えてきました。道の設定が間違っていると考えずにしばらく進むと、高速から地道へのルートに変更となり、山へ一直線。それも途中道路工事中のガタガタ道。引き返すのも無駄だと観念して高い峠を2カ所乗り越え、最後の1カ所は通る道がないので30分以上も山を迂回する破目に、妻も「こまこ」も私も車に揺られホトホト疲れました。そんな私達を「かやぶきの里」は迎え入れてくれました。

 

 

 夢みたものは   立原道造


    夢みたものは ひとつの幸福

    ねがったものは ひとつの愛

    山なみのあちらにも しずかな村がある

    明るい日曜日の 青い空がある

 

    日傘をさした 田舎の娘らが

    着かざって 唄をうたっている

    大きなまるい輪をかいて

    田舎の娘らが 踊をおどっている

 

    告げてうたっているのは

    青い翼の一羽の 小鳥

    低い枝で うたっている

 

 夢みた目見た

    夢みたものは ひとつの愛

    ねがったものは ひとつの幸福

    それらはすべてここに ある と   

 

 

 

 美山「かやぶきの里」。手入れされた杉が美しい里山風景。

 

 

まだ紫陽花の花は十分に開花していませんでした。

 

 「タチアオイ」の花。この花は広い空間のある農村風景が良く似合いますね。

 

「かやぶきの家」に空き家は少なく、普段の暮らしが営まれています。洗濯物を干し、サツキの花咲く石垣が旅情を誘います。

 

 クローバーの中の「こまこ」。3人掛けのベンチ2脚置かれ、1つのベンチでは下の写真の「かやぶきの家」を、中国からの旅行客?がパステルで写生をしていました。チラッと見ましたが、とても綺麗な色合いの絵でした。

 

 「かやぶきの家」江戸時代から明治時代に建てられ、山深い里で守り継がれた貴重な遺産。エンジがかった色合いのユリが良く似合いますね。北の集落には現在39戸の家が国の重要伝統的建造物保存地区に選定されています。   

   

 

 散歩中に中国のカップルから「こまこ」と一緒に写真を撮っても良いかと聞かれました(一番手前の二人)。もちろんOKです。この子は誰にでもなつく性格の穏やかな子。前から見てないのでわかりませんが、カメラを向けると笑顔になるので多分良い顔で写っていると思います。