今、私の手元に太田洋愛・櫛田孫一共書の「花の肖像」があります。昭和54年3月に講談社より発刊された古い画文集です。購入した日にちは不明ですが巻末に私の押印があります。定価は1800円。

 私は徒然に花の絵が見たくなると、この本を開きます。昭和を代表するのボタニカルアートの画家太田洋愛と詩人、随筆家の櫛田孫一の共書を眺めていると心が洗われたようになります。

 

 文中の「つわぶき」の頁を開くと「この黄色の花とてらてらとする艶のある大きな葉を見ると中学時代のことを思い出す」との書き出しで、サッカーに夢中で試合の時に少々厄介な負傷をして友達の家に行くと、そこの老人が葉をあぶって膝に貼るように言われ、医者には内緒で実行した、効果ははっきりにないが、だんだんと良くなった。との文章で終わっている。ツワブキは古くから薬用、食用として用いられてきたようで、もしわが身にそのようなことがあれば試してみようかと思ったりする。私の小さい頃は「ヨモギ」の葉をつぶしたもので「止血用」として、オデキができれば「ドクダミ」の葉を焼いて、「膿の吸い出し」として使用したことを思い出します。昔は生活の知恵としてそのような民間療法が脈々と受け継がれていたものです。

 

 我が家の「ツワブキ」は今から30年ほど前に妻の実家に帰省した時、2株ほど持ち帰り日陰になる場所を探して植え付けたもの。この花が終わるとタンポポのような綿毛となり種を風に任せて広がる性質を持っています。今では庭の各所に広がり鮮やかな黄色い花を見せてくれます。冬枯れ前の庭には貴重な花です。

 

 「ツワブキ」。石蕗。キク科ツワブキ属。原産地は中国、日本。昔から民間薬や食用野草として知られ、若い葉柄が食べられる。日本では福島県より南に分布する常緑多年草。近年は観賞用として人気がある。

 

 
無駄話

家に持ち帰ったツワブキは花が咲くのも楽しみですが、春4月頃から伸びる葉柄を妻が料理する「佃煮」が大好きです。チビチビと飲むお酒のつまみにはもってこい。私が子供の頃、我が家では普通の蕗の料理はでましたがツワブキを食べた記憶はありません。里山育ちの妻の生活の知恵で、春にはツクシの卵とじ、ワラビの煮付、湯がいたワラビのワサビ和え、タラの芽の天ぷら破竹の煮物。また庭で育つ青ジソの天ぷらとお刺身のツマ、三つ葉の卵とじとお吸い物などを食することができます。これら春からの贈り物が今から楽しみです。

 

いつもの通り今から「コマコ」のブラッシングをして、午前10時からペットサロンでシャンプー、カットなどに連れて行かなければなりません。最後の写真は庭で歯磨き用のガムをもらってくつろぐ「こまこ」です。