我が家の庭にひっそりと咲く野菊。野菊は中国から渡来した「家菊(現在の出回っている菊の総称)」とは異なり、日本各地に古くから咲き続けている菊。調べ始めて最初はこの花は「ダルマギク」だと思ったのですが、葉の形が違うし生育の場所が海岸線だとのことで「ボツ」。「ユウガギク」「ユウゼンギク」「コンギク」なども検索したのですが、花色や花の形、草丈、葉の形から全て「ボツ」。

 

 それでも、この花の名前を知りたくて調べて調べて行き着いた先が、小説、伊藤左千夫著「野菊の墓」と映画、木下恵介監督の「野菊の如き君なりき」。あらすじは矢切の渡しに近い旧家の息子・正夫15歳と従妹・民子17歳の淡い恋を描いたもの。小説では「民さんは野菊のような人だ」と話す。正夫は付き合うことを母親や姉から猛反対され、失意のうちに遠くの中学校上京する。帰らぬ間民子は他家に嫁ぎ病死をしており、帰郷の時に結ばれずに亡くなった民子の墓に参った正夫は墓所の周りに野菊が咲いているのを見て、墓へ七日通ってこの野菊を植え付けたとなっている。花の形や色は触れられていない。期待したのはに映画「野菊の如き君なりき」で、木下恵介はこだわりの監督なので民子の墓に植え付けた野菊は調べつくして撮影をしたので判明するかと考えたのですが、1955年撮影で画像は白黒で最後の望みも「ボツ」。

 

  以下の画像は我が家に咲く野菊の花。草丈30cm ~50㎝。細い茎の先端に1~2・3輪の花をつけます。花弁数は多く八重咲。花色は柔らかい水色。

 

  かかる日のまためぐりきて野菊晴れ 富安風生

 

  初旅をなぐさめ顔の野菊哉 正岡子規

  

  庭荒るる野菊いつまで咲くことよ 山口青邨

 

 庭の野菊を検索して調べるのに3日間かけて探した結果。どうやらノコンギクではないかと結論ずけました。しかしノコンギクも多様で草丈、花弁の色、花弁の数が異なり庭に咲くこの花と一緒なのか、野菊を固定するのは難しいものですね。

 

 ノコンギクとして掲載されている固定品種。花数が多く草丈も長く、ネットで検索しても、やはり違うなという感じ。画像は森林インストラクターブログ「フォレスト石風花1」より。

 

  ノコンギク。花色は我が家と同じようですが、花弁の数が違います。画像は白馬五竜高山植物園HPより。

 

  探し、探して見つけた八重の野菊。品種はノコンギクの園芸種で、名前は「夕映え」。花弁は良く似ていますが花の色が異な   

 ります。画像はガーデンストリートHPより。

 

  同じく園芸種の「夕映え」。花の色は似ていますが、花弁の形が間延びして、我が家の野菊とは異なります。画像は「バラ園のバラ」ブログより。

 

 この野菊の投稿をするのに、今までで初めての苦労をしました。なにせ野菊の種類が特定できません。探しても、探しても我が家に咲く花にたどりつきません。ただ、明らかになったのは

 ①野菊の墓の野菊はカントウヨメナかノコンギクであろう。墓場は乾燥しているところが多いから、植えられた野菊はノコンギクの可能性が高い。※森林インストラクターブログ「フォレスト石風花1」より。

 ②野菊を調べ固定するのは深山に分け入るようで、探しても探しても奥が深い。結論としては特定するのは難しい。我が家の野菊は「風が我が家にくれた贈り物として、大切にし増やしていくこと」だと気付きました。そしてとても綺麗な野菊だということも。花言葉は「清爽」。

 

 昨日は朝8時から「こまこ」のシャンプーとブラッシングと散歩のため、汗をかいた一日。毎日が抜け毛で大変。妻が1カ月以上も病でふせておりリビング・ダイニングを掃除機で綺麗にするのも私の仕事。妻は痛む身体をおして先日来からの庭木の片付け作業。頭が下がります。感謝の日々です。