MTB雪道ライド | 山と 写真と 自転車と - MTB林道トレイル日記

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MTBをお持ちの方なら一度は夢見る雪上ライド。

 

雪国で生活する人なら、雪上ライドのノウハウを少しはお持ちでしょうが、そうでない方はなかなかその実感を掴むことはできないのではないかと思う。

 

 

雪上ライド、そんなに容易いものではないことを知っているからこそ

雪国の人はスポーツで雪道を自転車で走ったりはしないのだ。

 

それには様々な理由がある。

MTB雪上ライド

そこで、雪上ライドでの注意点や装備について私考を記してみた。

 

 

気温がマイナスではないこと。

 

これはとても大事なことで気温が氷点下に近くなると(おおよそ+2℃~+3℃から)自転車のメカが凍り始める。

最初に凍るのは、ディレーラーのワイヤー部分。

ディレーラーのシフト方法はワイヤーで引張りギヤチェンジ、ワイヤーを緩めてバネの戻る力でギヤチェンジを繰り返す。そのディレーラーを引っ張るワイヤーが凍り始めるとシフターでワイヤーを緩めてもシフトチェンジができなくなる。ワイヤーとアウター間の水分が凍ることでワイヤー自体が固着(動かなく)するのだ。

次に凍り始めるのがチェーン。

チェーンに付いた雪が溶けて水となり、それがチェーンの隙間に入る。そして気温が下がり始めるとその水分が凍り始める。チェーンが凍り始めるとチェーンのしなやかさがなくなり曲がったところは曲がったまま、直線部分は直線のままとなる。凍ったチェーンでペダリングすると、本来ギヤに食いつくはずのチェーンが真っ直ぐの状態のままギヤを進む。すると耐えられなくなったチェーンは脱落。フロントで脱落なら容易に修復できるが、リヤでスポーク側に脱落すると厄介なことになるから、注意が必要だ。

更に気温が下がるとブレーキも凍り始め、カンチやVブレーキならシューが、ディスクブレーキならパッドが戻らず、常に引きずり状態になってくる。雪以外にブレーキの負荷まで加わると前に進むことが困難になる。

自転車のメカ部分が凍り始めたら手のつけようがなくなるのだ。

MTB雪道

 

防寒対策をしっかりと。

 

寒いのは当たり前。手袋や帽子は当然の対策。それ以外に上半身は首元と耳、下半身は足首近辺の風対策が必須である。風速1mは体感温度を1℃下げる。これは、時速3.6km/hで体感温度が1℃下がることになる。通常雪上で走れる速度は、6km/h前後。つまり、体感は外気温よりも約2℃位低く感じることになる。気温が一桁台の2℃、思ったより凍てつく感じになる。もし、速度が20km/hなら体感温度は約5.5℃低くなる。雪の降らない地方でも冬場の走行は辛い。

足首は、思った以上に体温を奪われるもの。通常のシューズではとても無理。ブーツのように足首がすっぽり隠れる物でないといけない。

 

 

体を濡らさないこと。

 

意外と見落としがちな問題。防寒対策を取りすぎると今度は汗をかく、これがまた厄介。下りでペダリングせず自転車に乗っていると、またたく間に体温が低下する。その時汗は、ものすごいほど体温を奪う。凍える体に濡れた服、地獄である。

汗をかかないよう服装と運動量を調整しながら自転車に乗らなくてはならない。

もう一つは、靴。雪解け水が靴の中に侵入して、上記のような状態にあれば、足の指先が凍傷になる可能性もある。靴の防水対策も重要。

 

 

雪は重い

 

MTB乗りなら、一度や二度、自転車で渡河したことはあるだろう。タイヤが水に1/4位沈んだ状態で前に進むのはとてもつらい。雪上(新雪)を進むのは、まさにその状態。平坦地の雪上では全く滑走しないのだ。前に進むには、ひたすらペダルを漕ぐ。ペダリングを休めば即停車である。これが意外と体力を消耗する。

雪国の人が自転車に乗らないのは、ほとんどがこの理由。ペダルが重くて前に進めないのだ。歩いたほうが断然楽!

 

 

自転車は止まらない

 

軽い自転車は雪上での制動が難しい。前輪ブレーキはほとんど使用しない。もし、雪上で前輪ブレーキをかけたなら、即ロック!転倒になってしまう。雪道での常識は、後輪ブレーキだけで止まるである。

これが、山の下りでは厄介である。大した勾配がない下り坂で後輪がロックしても自転車はなかなか止まらない。結構な距離を滑り降りることになる。その先がカーブだったら、、、。安全走行には、徐行が第一。それ以外の対策はないのだ。

 

ざっとこんなところかなぁ。

雪上サイクリング

雪上での自転車乗り、意外と楽しいもんだよぉ。一度トライしてみては?