今回は旦那の不倫と性病感染、そして現在も不妊治療中の方の経験談です。
誰にも言えないような過去、そして現在の苦しい思いを、語っていただきました。

 

ペンネーム:QQさん(女性)
28歳、専業主婦、大阪府在住
現在も不妊治療中

 

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このnoteを読んでくださり、ありがとうございます。私は現在、不妊治療に取り組んでいます。

 

不妊治療を開始するまでに、本当にいろいろな苦しみと葛藤がありました。
 

あまり人には話せないようなことですが、このnoteを通じて、少しでも私と同じような経験をする人が減ることを願います。

 

そもそも、私が不妊治療をすることになった原因は「クラミジア感染」でした。

なので、まずは「クラミジア感染」や、それがどのように不妊の原因となったのかということから書き始めたいと思います。

 

■ クラミジア感染者の多さ、感染率の高さ

クラミジアは10代〜20代の男女に広く蔓延している性病であり、高校生だけでも10人に1人の感染者がいるといわれています。


妊婦健診の際に発覚する場合も多く、妊婦の3%はクラミジアの感染者という報告もあります。(※1)(※2)

クラミジアは非常に感染しやすく、1回の性行為で感染する確率は50%にもなります。(※3)
 

性器による接触のみではなく、オーラルセックスでの喉への感染も広がっており、 セックスをしていないからといって安心はできません。

 

そして、特にクラミジアが感染しやすい理由として、自覚症状がでにくいことが挙げられます。
女性の80%、男性の50%が自覚症状がないと言われており、自覚しないまま性行為が行なわれることによってクラミジアの感染が広がっています。(※4)
 

クラミジアに感染している場合、HIVの感染率も上がると考えられています。(*5)

(※1)参照元:国立感染症研究所 
(※2)参照元:Wikipedia - 性器クラミジア感染症  
(※3)参照元:医療法人社団智嵩会 新宿さくらクリニック 
(※4)参照元:あおぞらクリニック 
(※5)参照元:東京都福祉保健局 

 

■ 「性器クラミジア感染症」が引き起こす不妊について

クラミジア菌が膣内に侵入すると、子宮頸管が炎症を起こします。
その後、子宮内膜卵管にまでクラミジアが増殖し、侵入すると内膜や卵管も腫れあがり、卵管が閉塞、癒着する事態となるのです。


恐ろしいのが、症状が進行しても殆ど自覚症状がありません知らぬ間に卵管が閉塞する可能性があるのです。
 

結果的に卵子や受精卵の通り道が塞がれるので、受精・着床しにくくなり不妊を招くリスクが高まります。

 

卵管の癒着だけであれば「卵管鏡下卵管形成術」によって効果が期待できますが、卵管采(卵巣から放出された卵子を受け取る部分)まで癒着していた場合は自然には卵子をピックアップできなくなり、体外受精となります。

 

また、体外受精によって受精できたとしても、受精卵が本来着床すべき子宮内膜以外の場所に着床してしまう「子宮外妊娠」をもたらす可能性もあるのです。

(※)参考:医師・病院と患者をつなぐ医療検索サイト|メディカルノート

 

■ クラミジア感染によって卵管閉塞した場合の不妊治療について

クラミジアは卵管閉塞を引き起こす可能性があるため、クラミジア感染症が治癒したとしても、妊娠を望む場合は不妊治療を行わなければいけないケースがあります。


以下では、卵管閉塞になってしまった場合の、クラミジア感染症を完治させた後の「妊娠に向けた治療」のステップを記載します。

①卵管造影検査
卵管が閉塞していないか調べる。閉塞もしくは、閉塞までいかなくても卵管が狭くなっていた場合は「卵管鏡下卵管形成術」に進む。
②卵管鏡下卵管形成術(FT手術)
卵子や精子が卵管を通過することができるようにします。
③タイミング法もしくは人工授精による不妊治療を実施(目安:6ヶ月間)
FT手術は半年後に再閉塞することが多く、また、半年で結果が出ない場合には卵管采にまで癒着が広がっている可能性が高く「ピックアップ障害」と診断されることがある。
④体外受精
病院や年齢によっては卵管造影検査のあと、すぐに体外受精へ踏み切るところもあるとのことです。

 

上記のような流れとなるのですが、私が今、ちょうど③のステップにいます。

 

■ 「 不倫 、 性病 、 そして 不妊 」 を経験した私の話

私の場合、結婚してすぐに旦那の不倫が発覚し、性病検査を受けた結果、クラミジアが発覚しました。


結婚前にブライダルチェックを受けており、その際にはかかっておりませんでしたので、(もちろん結婚後、私は旦那以外の男性と性交渉していませんし) 旦那の不倫相手が保菌していたということになります。

 

どんな女性から病気をもらったのか、気になり連絡を取りました。
 

驚いたのはその女性は特に派手な方でもなく、大手不動産会社で勤める何処にでもいそうな普通の女性でした。

 

正直、風俗で病気をもらってきた、というのはよく聞く話なので私は、いかにも!って感じの綺麗な?ギャルを想像していたのですが、こんな普通の女の子が性病持ってるなんて、、、と衝撃をうけました。
 

変な話ですが彼女を見た瞬間「この病気は本当に蔓延しているんだな」と実感しました。

 

卵管造影の結果、右の卵管が完全閉塞、左は狭窄(きょうさく)でした。左側の卵管に希望を持ち、半年間タイミングで様子をみましたが結果が出ず卵管鏡下卵管形成術(FT)の手術をうけました。
 

卵管造影もFTも、身体的に本当に痛みを伴い辛かったです。また精神的にも、何より旦那の裏切りによって不妊になったことが悲しくて辛くて仕方ありませんでした。

 

精神的にも病み、抑うつ、適応障害にもなりました。
 

唯一救われたのは、私がブライダルチェックも含め、子宮頚がんの定期検診の際に性病検査も一緒にしていたので、小まめに検査を受けていたことです。

 

私が検査せぬままこのような事態に直面したら、「お前が元彼から貰ってた可能性もあるでしょ?」と言われかねません。

実際に義実家に話した際には、そのようなことを疑ってきました
 

私は今も妊娠に至らず人工授精を行なっています。もしかしたら卵管采まで癒着しているのかもしれません。

 

旦那のことは本当に憎いし許せません。
 

一生許せないと思います。

 

でも旦那をいくら憎んでも、私が不妊になったという事実は変わることはありません。
 

そして、どうしても私は自分の子供が欲しい、お母さんになりたいのです。

 

離婚し、新たなパートナーを見つけたとしても、その人に「元旦那の不倫のせいで自分は性病になり不妊なんです」と伝え理解してもらい、不妊治療に付き合ってもらうことは私にはできない、きっと申し訳ないという気持ちに押しつぶされてしまう、と思いました。

 

これは、旦那が引き起こしたことだから、この人が責任を取るべきだと思い、複雑な思いを抱えたまま離婚せずにいます。
 

そんな愛のない家庭に産まれてくる子供は本当に可哀想だ、という批判はあると思いますが、何度も考えて考えて導き出した私の答えです。

 

 

こんな私が伝えたいこと、それは「安易な気持ちで性交渉をしないでくださいと」、いうことです。


私は大丈夫、俺は大丈夫なんてこと絶対ありません。

 

不倫なんてよく聞く話かもしれませんが、その安易な不倫や浮気がパートナーに一生の傷を負わす可能性があります。
そして男女共に半年に一度は性病検査を行なってください。できれば喉への感染も必ず調べてください。

 

愛する人を疑いたくはありませんが、もしも裏切られてた場合、あなたを守るのは小まめな検査だけです。
かかりつけの医師曰く、クラミジアによる不妊治療は年々増加傾向のようです。

 

どうか、私のような人がこれ以上増えませんように。

 

■ 余談

余談ですが、妊娠中の浮気もよく聞く話ですよね。
クラミジアに感染した状態での妊娠、または妊娠後のクラミジア感染の場合、胎児を包む卵膜にクラミジアが侵入し、絨毛膜羊膜炎を発症する可能性があります。
 

そうなると子宮が過剰収縮したり、子宮頸管が柔らかくなったりするなどの症状が出て、切迫流産や早産を招くリスクが高まり危険です。

 

また、妊娠後期にクラミジアに感染していると、出産時に赤ちゃんが産道を通る際にクラミジアに感染する、胎児感染が起こる確率も高くなるのです。

 

赤ちゃんがクラミジアに罹患(りかん)すると、新生児結膜炎を発症する可能性があり、生後数日後に目やになどの症状が出始めます。


さらに、生後1から3ヶ月後くらいに新生児肺炎にかかり、呼吸が速い、チアノーゼや低体温などの症状が現れ、稀に重症化すると呼吸困難により命が危険にさらされる場合もあるのです。

 

もしこんなことになったら責任取れますか?
 

安易な気持ちでの性交渉は絶対に控えて欲しいです。

 

【僕の感想】

今回の経験談を読んで、「あ、、、もしかしたら俺もやばいかも」って思った男性諸君。とにかく今すぐにでも検査しにいきましょう
東京都内だと、簡単な性病検査であれば1万円程度で受けられます。「ブライダルチェック 男性」でググってみてください。そして、子作りを考えているカップルの皆さんは、是非とも妊活前にブライダルチェックを受けてください。
自分のためにも、将来の子供のためにも、正しい性の知識を持ち、自分のカラダのチェックを怠らないようにして欲しいと思います。それにしても、今回のお話は直接お会いして伺ったのですが、不妊治療に至るまでの経緯が壮絶でした。。。。
お話をしてくださったことに感謝しております。少しでも世の中に性病についての認識が広まればと思います。

 

 

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