まず、エジプトにおいて、
「ky」(other)は、限定符が付いて、「猿」を意味する。 (※「ky」は子音表記。母音は不明)
ところが、メソポタミアにおいて、
「šanû」[MAN](other)は、「火星」を指すタームである。 (※「strange」とか「evil」の意あり)
* * *
さらに、「火星」の名称として、「sāru」[LUL](false)、「nakaru」[KÚR](strange, enemy)、
「aḫû」[BAR](strange)がある。恐らく、「sāru」[LUL](false)に掛かる「šāru」(enemy)も、
「火星」の呼称だろう。このなかで、とりわけ重要度が高いのが、「sāru」[LUL](false)だ。
「sāru」[LUL](false)は、「sarru」(false)の形だったり、「ṣarru」(false)の形だったり、する。
それは、この「sāru」[LUL](false)=「火星」が、「ṣarru」(flashing)するからである。やはり、
神秘学的な領域(?)において、この「ṣarru」(火星のflashing)が、殊のほか重要視された。
#結局のところ…「ky」(猿)、即ち、「ky」(other)は、「šanû」[MAN](other)=「火星」、を表す。
#換言すると、「sāru」[LUL](false)=「ṣarru」(火星のflashing)、を表す。そのような背景から、
#漢字の「猿」に対し、「火星のflashing」を直接意味する「sāru」[LUL](false)の訓みを充てた。
#倭語の「佐留」(猿)は、「sāru」(false)=「火星」、あるいは、「ṣarru」(火星のflashing)、だろう。
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ところが、当該の「sāru」[LUL](false)=「ṣarru」(火星のflashing)は、「財」(タカラ)だから、
直ちに、「šarû」[NÍG.TUKU](wealthy)=「mašrû」(wealth)=「Sirius」を含意する。此処で、
「猿」に対し、「平安時代には、和歌では主にマシ・マシラが使われている」。その点に注意。
少なくとも、この何語か分からない「マシラ」(猿)は、「mašrû」(wealth)=「Sirius」と言えよう。
但し…「マシ」に関しては、「マシラ」(猿)からの「ラ」の脱落ではなく、他の語が考えられよう。(※未詳)